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2007年10月

2007年10月31日 (水)

ふれられて傷のありかを知る 痛い

何気ない会話のなかで、ひっかかりやざらつき、痛みを感じることがある。…こんなところに傷があったんだ。まだ癒えてなかったんだ…と気づかされる。

2007年10月30日 (火)

路地抜けて透明になる神楽坂

灯りに誘われて、路地から路地へと抜けていくうちに迷子になってしまった。
路地の角で、クスクスと笑ういたづらな神様の影をみた。

コードネーム「神楽坂」は、転ばされちゃったね。

2007年10月29日 (月)

東京タワーもやさしくなったなぁ

東京の雨夜、東京タワーが滲んで浮かんでいた。
その昔、東京の空は私が支えているんだ!とばかり、そびえ立っていた東京タワー。
スタイリッシュな高層ビルに囲まれ、自信を失っているように見えた時期もあった。
自分を見上げる、幾多の“こころ”に気づいたのかな。
いま、東京タワーは、東京をやさしく見守っている・・・。
                                          
東京は、苦手な街だった。
  東京をヒールで蹴って発泡酒 
こんな句を詠んでいた。
もう蹴らなくってもいいな。
ヒールなんか脱ぎ捨てて、飲もう!

2007年10月28日 (日)

電気ブラン だからあいたいかえりたい

母譲りのネタもん好きの娘からのお土産リクエストは、「安部さん(前総理)の人形焼」。ないとは思ったが、浅草へ足をのばした。阿部さんはもちろん、福田さんもなかった。やっぱりね。浅草寺でおみくじだけ引いて、ぼとぼとになりながら「神谷バー」へ。

昔ながらの下町の“粋”をそのままに、日本で一番古いバーはあった。昼の2時なのに、ほぼ満席。食券を購入して席に着くと、アルミの丸いお盆を持ったウエイトレスがやってきて、片手でピシッと食券を切る。あ~、これ!これ!昔、デパートの大食堂で、この仕草にどれほど憧れたことか。

常連と思しき年配の男性客たちは、あらかじめ「電気ブラン」を2杯、3杯と並べて飲んでいる。途中で食券を買いに行くのは野暮なんだろう。シャープなスーツ姿の女性も一人で飲んでいる。しかも大ジョッキ!負けた・・・こっちは中だ。昔サイズの大きな重い大ジョッキを、実にスマートに持ち上げている。ク~ッ、カッコイイ!2杯めを飲みかけて、彼女に目をやると彼女も大2杯め!。参りました!

たまたま隣り合わせた人と会話を楽しむもよし。ひとり静かに飲むもよし。どこか人懐かしくなるような・・・ゆったりとあたたかな酒場だった。「電気サワー」も飲み終えてしまい、名残りを惜しみながら店を出た。さ、家に帰ろう。

2007年10月27日 (土)

いささかのさみしさ連れて隠れ宿

東京には、隠れ家のようなお気に入りのホテルがある。古い坂を上り、路地を抜けると静かに佇んでいる。お風呂がジェットバスなのもうれしい。ひとりのうれしさ、ひとりのさみしさ・・・。ゆっくりと味わってきた。

昨日も今日も、みごとに雨の東京だった・・・。

2007年10月25日 (木)

待っている青い雫を聴きながら

72%.東京に行ったときの雨の確率(感覚値)。「東京地区限定雨女」かもしれない。傘を持ち歩かないので、東京で買った傘ばかりが溜まる。今日もどうやら夜には降り出すらしい…。

待つ時間は、雨の方がたのしい。窓の雫が、すべって、くっついて、いっしょに流れて……。そのうち窓の外を行き交う人々も、雫にみえてくる。

2007年10月24日 (水)

射程距離に入れてマニキュア塗りなおす

そう、ここから焦ってはダメ。

美しい指先で、銃爪を引くのよ。

2007年10月23日 (火)

樹は立っています 一羽の鳥のため

「みんな何のために生きるの?」
「私はこんなに自分がキライなのに・・・生きなきゃあかんの?」
娘がまっすぐな目で問う。・・・答えにつまってしまった。
・・・私も、その頃同じように苦しかったから。

「抱きしめてあげたらいいと思うねん」
友人はこともなげに言った。
「・・・わたしは、そんな風にしてもらったことがないから・・・分からない・・・」
不覚にも、泣いてしまった。
「わたし、ちょっとそっちに行くわ」
向かいの席からやってきた友人が、ぎゅっと抱きしめてくれた。

それからしばらく、娘は夜な夜な私のふとんにもぐりこんできた。
私は、やっぱり抱きしめてあげることはできずに、ただいっしょに眠った。
十日ばかりつづいただろうか・・・。
娘は、ぷつっと来なくなり、「何のために生きるの?」とは訊かなくなった。

ことばで答えなくていいんだ・・・。理屈じゃないから・・・。

2007年10月22日 (月)

坂上る 上ることだけ考える

パソコンを占領されてしまった。はじめて携帯から更新してみる。こういうことは苦手なのだ。うまくいきますように…。

“がむしゃら”ということばがピッタリだった時期があった。目の前の坂を上ることだけ考えていられた、あの頃…。しあわせだったんだ…。

2007年10月21日 (日)

夕暮れて影絵の家族数えおり

秋祭りの太鼓の音が近づいたり、遠ざかったり・・・。台所に、夫の母とふたりいる。「**は?」「バイト」「**は?」「さあ?」「**は?」・・・・・・「昔の祭りはなぁ・・・」・・・・・・母の繰言がつづく。去年まではお赤飯を蒸しあげたのに、今年は炊飯器で炊いたら芯が残ってしまった。

2007年10月20日 (土)

あの夜なぜあんなところでお月さま

「月が出ていたら観覧車に乗ろう」
地上へのエスカレーターの途中でその人は言った。
外へ出てあわてて空を見上げると、星ひとつない漆黒の空。
少しほっとしたような気持ちになった。
月のことには触れず、無言で並んで歩く。
駅前の大きな歩道橋の階段を上りきり、方向転換したそのとき、突然、、月は現れた。
ビルの上に、芝居のセットのような三日月だった。
観覧車へと向かう。月が決めたのだから・・・。
ビルとビルの谷間から、夜の海へと沈んでいくように観覧車は昇っていく。
無邪気にはしゃいでみたものの、すぐに息苦しくなり溺れているようだった。
・・・観覧車は、淡々と元の場所に二人を戻してくれた。
別れて駅へと向かう道、どんなに探しても月は見つからなかった。

2007年10月19日 (金)

冷戦の食卓 赤い椀ふたつ

お椀の赤が、やけに鋭く感じる。
いくつもの言葉を、噛みくだいては飲み込む。
それにしても、ふっくらごはんのやさしいこと。

 米だけは誰も責めずに聴いている

 木の匙でおかゆなんだか泣けてくる

2007年10月18日 (木)

ふり切ってもう戻れない駅になる

「考え直しなさい。我儘すぎる」・・・引越し1週間前、母からの電話。

「もう、我儘でいいから。それでいいから」

「やさしくない・・・そんな子じゃなかったのに・・・」

引越しの朝、車の到着が遅れ、部屋の真ん中にぽつんといた。遮るもののなくなった部屋を、秋風が通り抜けていく。・・・ふいに涙があふれて止まらなくなった。さあ、私も出発・・・今ここから。

2007年10月17日 (水)

私を裏返したら真っ赤です

黒いピアノカバーの裏の深紅。つんと取り澄ましたようなピアノの激しい一面を垣間みたようでドキッとする。・・・打ちのめすようなJazzピアノの、陶酔と破壊も魅力的だ。

初対面の人が私の印象を、「正座してジャズピアノを弾いてそうな人」と言っていたと、人づてに聞いた。私も黒ずくめが多いけれど、赤の裏地はない。どんな“赤”がのぞいたのだろう??

2007年10月16日 (火)

急坂にむすばれている今日と明日

神戸が好き。山を背負い、海を抱いて・・・なんて贅沢!都市のわりには、空気もおっとりしていて、落ち着きがある。

好物の№1店も、みんな神戸。パンの「コム・シノワ」。蕎麦の「公楽」「卓」。ビールの「元町エビス」(エビスビールはどこでもある!)。一番好きな書店も、元町の「海文堂」。

いつか神戸の坂の上に住みたいと思っていたが、ほど近い平坦な町に住み23年がたった。神戸は、素敵な男性といっしょで、憧れの街でおいておくのもいいかな?と思い始めている。

それにしても、起伏にとんだ人生を送っているのは、坂の街が好きなのと関係あるのかしら?

2007年10月15日 (月)

同じ音外した亡父の子守唄

不器用な人だった。近ごろ、つくづく似たところがあると思う。

リタイア後の意に添わぬ転居、居場所のないくらし。すべてから逃れるように、感情もことばも記憶も捨ててしまった父・・・。
いつも固く握りしめていた拳は、いったい何を握っていたのだろう・・・。

2007年10月14日 (日)

でも会えた もうこれでいい蝉の殻

あるインタビューで「人生で影響を受けた人を3人あげてください」と言われ、姉のような女性ばかり3人の名をあげた。今夜は、その3人のうち、“知”の部分で最も影響を受けた方と、数年ぶりの再会!

いろいろな出会いがあったけれど、出会わなければよかった出会いはないのかもしれない・・・と思える。

2007年10月13日 (土)

触れてみてごらん眠るか弾けるか

夜中まで友人が語った。少し眠って、朝からまた語った。今しがた、まだ語り足りない彼女を見送った。

夕べの名言

「思い出を美化すると、いい女になる」

語り合ってわかることもあり、触れてみてわかることもある。

2007年10月11日 (木)

水枕 ウソの上手な人でした

こぽん、こぽん・・・うそだよ、うそだよ。

でも、もう少し聞いていようか・・・。

2007年10月10日 (水)

手際よく取り替えられてゆく頭部

少し前、友人から「掃除機のコードって最後まできちんとしまう?」と訊かれた。「あまり意識したことないけど・・・」と答えながら内心では、シュタッ!としまってるわと自信満々だった。今日、掃除機が目に入って驚いた。コードが20cmあまりもタラ~ンとぶら下がっていた。

会社で某社の社内報をみていたら、「血液型別チーム対抗運動会」という興味深い記事を発見した。それによると、A型チームは、適材適所に出場者を割り当てたものの、本番に弱い。O型チームは、スタートダッシュのみで、飽きっぽくて粘りがない。優勝は、B・AB型チームだったとか。ただし、B・AB型チーム、最後まで整列ができなかったらしい・・・。

血液型別、掃除機コードチェックもしてみてほしいなぁ・・・。川柳?・・・えっと、その・・・もう少し細やかな働きをする頭部と、取り替えてほしいです・・・。

2007年10月 9日 (火)

傷というあなたの物語なぞる

仕事帰りに駅前の立ち呑みやで、ちょっと一杯、いや二杯、いや三杯ほど呑んで帰るのが好きだった。

ところが、しばらく通ううちに顔なじみのお客さんたちと、ひと言、二言交わすようになり、そのうちお酒を注いでいただいたりするようになった。

その日も、私から・・・というお酒を断れず、つい余分に呑んでしまった。帰宅して、サラダを作ろうとキャベツを千切りしていたら、手元が狂って左手の人差し指をかなり深く切ってしまった。今も、ペンだこのような傷が残っている。

人差し指の傷をみると、小さな店で肩寄せ合って呑む人たちに混じって、ひとり静かに呑んでいた・・・好きだった場所を思い出す。暖簾の下からのぞいていた足の、みんな一生懸命踏ん張っていたことも・・・笑顔のすこし寂しかったことも・・・。

2007年10月 8日 (月)

レタスの芯むしるやっぱり会えません

答えは決まっているのだから・・・シャリッと・・・。

・・・ね、ほら簡単なこと・・・。

2007年10月 7日 (日)

遠いかなしみ桔梗りんどう秋の青

好きな色は、アイボリー、深い緑、黒・・・。そういえば、家の中にも、赤、黄、青の色はほとんどない。赤いお鍋がひとつきり。

でも、花だけは、青い花が好き。桔梗、りんどう、都わすれ・・・秋の青にこころ惹かれる。もう済んだことよね、むかしの話・・・深いかなしみが溶けている。

2007年10月 6日 (土)

あいまいなかたちのからだ包む朝

水を器に注いでカタチを与えるように、私のカタチを整える。袖を通させ、靴を履かせ・・・どうも私のカタチじゃない気がするけれど、早くしないと電車に乗り遅れる・・・。

2007年10月 5日 (金)

月ひとつたったひとつのほしい愛

そんな子どもみたいなこと、言いません・・・。

2007年10月 4日 (木)

抱きさらう勇気はあるか曼珠沙華

中島みゆきコンサートへ。曼珠沙華のような、燃え立つ赤のドレスで登場。今年のコンサートツアーのテーマは、「同じ時代に生まれてくれてありがとう」とか。ほんとうに、ありがとう・・・。

痛いほど愛を乞うていたみゆきさんも、齢を重ね、このところは包み込むような愛をうたっていた。ここにきて、ふたたび、「I love you答えてくれ」と激しく迫る・・・。

触れてはいけない、持ち帰ってはいけないと言われた曼珠沙華。覚悟がないなら、近づかないでと燃えている。

2007年10月 3日 (水)

気をゆるしきれない猫の舌ざわり

生あたたかなざらざら感に、つい身構えてしまった。猫は素早く察知し、爪を研いでいる。

2007年10月 2日 (火)

捨てようとすると甘えた声を出す

目覚まし時計の針が、ゆっくりゆっくり動いていた。古い電池を取り出そうとしたそのとき、電池が「キュッ」と悲鳴をあげた。まだ命が残っているのに酷いことをしたようで、取り出した電池の前にお菓子など供えてみたりしている。

2007年10月 1日 (月)

私だと思う小石を蹴ってみる

まだそんなことに捉われているんだ・・・ちっちゃいなぁ・・・。

石蹴りしながら、自宅まで帰る。もう月でも見ていなさいと、小石をベランダに置いたけれど、今夜、月はなし。

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