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2008年4月

2008年4月30日 (水)

無言でもいい人といる埋立地

話の合う人や話のおもしろい人といるのは、とてもたのしい。
話の途切れたときに、そのままでいられる人といるのは、やすらぐ。

むかし海だった場所の上に立っていた。
深い地中に埋もれてしまった貝のように、私は黙っていた。
黙って、つながっている気がしていた。

2008年4月29日 (火)

ぬくめ直しやっと家族になるカレー

夕べのカレーはおいしい。野菜の角もとれて、それぞれの持ち味がケンカせずにようやく溶け合う。一つなべの中で出会ったのも縁やから、しゃあないなぁって・・・。

今日、やっとお雛様をかたづけた。
やわらかな紙で目隠し(顔隠し?)をするのだが、去年は私のやり方が雑だったのか、五人囃子はみんな寝グセ髪に。
今年は、娘が慎重に当てながら、「お客様痛いところはございませんか?・・・ではこのままで一年お待ちくださいね・・・」とやっていた。

それから、12~3年ぶりで兜を飾った。
ナフタリンの匂いの思い出が座敷に広がり、なんだかすこし胸が詰まった。

2008年4月28日 (月)

夢ばかり舐めたきりんの黒い舌

夢見がちなきりんの目・・・。空ばかり見上げて、足元を見るのは苦手なきりん。きっと紫色の舌にも気づいていないね・・・。

2008年4月27日 (日)

眠りつく二匹は水を聴き合うて

ちいさな人と動物園へ。
春の陽気のせいでか、動物たちは眠る、眠る・・・。
あたり前だが、サービス精神は皆無である。
ライオンも豹もカバもカピバラもコアラも、無防備な寝姿をみせてくれた。

ちいさな人は、動物よりもにんげんに興味があるようだった。
同じくらいの大きさの人ばかり観察し、笑ったりムッとしたりしていた。

帰宅後、私も無性に眠くなって、春の陽を抱いて眠る。
ゆっくり朽ちていくような眠りだった。

2008年4月26日 (土)

喇叭水仙ただしいことを言ってしまう

まっすぐに背筋を伸ばし、陽気でおしゃべり好きなラッパ水仙。自分本位な黒揚羽にやさしく諭したつもりが、「正しいこと言うな!」って逆ギレされちゃったって。・・・しょんぼりしてたよ。

2008年4月25日 (金)

破るしかないよ背中は割れている

「お~い、背中割れてるよ。雨に気をつけるんだよ~」・・・のんびりやのさなぎに声をかけた。

「まだ、出たくないよぉ」と、もぞもぞ・・・。羽を広げてごらん。きっと今よりたのしいんだから。

2008年4月23日 (水)

ひと切り裂くほどにうすくなるこころ

かなしみのあまり、かみそりの刃のように薄くなったこころ。周りの人も自分も傷つけるしかないこころ。・・・いまは、存分にかなしむよりない。・・・かなしいことが多すぎる。

2008年4月22日 (火)

笛の音は水をさがして溶けてゆく

管楽器は、植物的な音なので水を好む。水辺へ水辺へと流れて、ふぅと溶けてゆく。

弦楽器は空好み、空気に溶ける。打楽器は肉体好み、血に溶ける。

2008年4月21日 (月)

首筋に鋏 あの名を耳にする

髪を切りながら首筋にひやっと鋏が触れるときのように、聞くだけでからだの強張る名がある。

2008年4月20日 (日)

ふふふとさくら青年に早変わり

ほの暗い舞台に、花を振らせつづける桜。暗転し、桜の笑い声がひびく。ぱっと明るくなったら、青々とした桜がすっくと立っていた。
・・・そんな今年の春だった。

2008年4月19日 (土)

あげるものこれしかなくて手をにぎる

谷川俊太郎 詩の朗読とピアノコンサート「詩と音楽の贈り物~LOVE LETTER」へ。
俊太郎さんの朗読。 朗読+息子の賢作さんのピアノ。 俊太郎さんの詩、賢作さん作曲で女性シンガーによるうた。 それらが順に流れるような構成だった。
目を閉じてことばを聴いていたが、朗読バージョンが一番ことばが染み入り心に残った。

一番最初の詩が「あげます」だった。うろ覚えだけれど、恋をして切なさもかなしみも知った新しいくちびるをあなたにあげます。というような詩だった。

人と別れるとき、あげられるものはなにもない。ことばも小さすぎて弱すぎて足りない。手をにぎるしかない。

2008年4月18日 (金)

赤い橋だった 男の舌だった

川べりの窓から、闇に浮かぶ赤い橋をながめていた。橋は川をのぞく女を、ゆっくりころがしていた。

2008年4月17日 (木)

口笛を吹いて開いてしまう夜

緊急会議が召集された。召集者のお姉さん、筆談用のメモ用紙とボールペンを持参。しかし、筆談はあまりにまどろっこしくて、頭を寄せてひそひそと話す。途中、本題外の議事をいくつもはさみ、最後本題で締めくくって終了した。会議は深夜に及んだ。・・・安心できるメンバーゆえ、開ききっている・・・。ちょうどいい具合の湯に、ぼわわわわわぁ~とゆるむ高野豆腐の気分だ。

2008年4月16日 (水)

夜毎夜毎に汚れた皿を積み重ね

仕事で、川柳作家で舞踏家の情野千里さんを訪ねた。
いただいた資料の一句に釘付けになる。

 寂しさの根を噛んでみる台所  千里

川柳を始めたばかりの32歳頃の作品だとか。

分かる・・・。結婚し、子育ての始まったころの私もそうだった。子どもはかわいいし、何の不足もないはずなのに無性に寂しい。自分がなくなっていくような、漠然とした不安のふくらむ日々。寂しさの根を噛みしめ、噛みしめ、その正体を確かめようとしていた。
正体を見破り、千里さんは川柳、舞踏を掴み取る。私も家庭の外に一歩を踏み出した。

千里さんの目が印象的だった。
澄んだ強い輝きを放ちながらも、人懐っこくやわらかで・・・。
この目で、自分を、人を、命を見つめ、詠んでいる人なのだと感じ入った。

「更(皿)屋敷」をテーマにした、最新の川柳パフォーマンスビデオも少し見せていただいた。多才!!!

2008年4月15日 (火)

からまった手足ほどいているソテツ

会えばいつも女子高生気分にしてくれる、クロスロードカフェ(伊丹市中央)のママ。
夕べも、「なぁなぁ、高校のときこんなんしいひんかった?」と、ストローの袋を破ってねじって手、足、頭をこしらえ、人型をつくってみせる。これを2体(?)重ねおいて、ストローで水を垂らすと、踊るようにして絡み合う。高校生が、なんというみだらな遊びをしていたんだ!
カフェのお客様グループに披露したら大ウケで、ムービー撮影も行われたのだとか。
いたづらぽい笑顔は、高校生のまんま。もう、好きだなぁ・・・!
ストロー芸を詳しく知りたい方は、クロカフェへ。お豆のカレー、ココナッツベジタブルスープも美味しいです!

ソテツの花の終わりは、手足をほどいたような花弁の中に真っ赤な卵のような実を抱く。グロテスクでもあり、とってもエロチック・・・。

2008年4月14日 (月)

やくそくを失くして長い夜が来る

ふいに約束をキャンセルされてしまった。理由が理由だけに眠れない夜になりそう・・・。

2008年4月13日 (日)

生きているかぎり排水口ぬめり

少々こころざわめくことあり、家中の排水口を磨く。
トイレも顔が洗えるくらいピカピカにした。
こんなとき、私の中の35%ほどの女性性を感じる。
こころ落ち着かず、何か一心に紛らわせたいとき、
男性だったらどんなことをするのだろう?

ついでに衣替えまでしてしまった。
こころ?・・・そろそろ夕食の準備だから
千六本でも刻むとしよう。

2008年4月12日 (土)

折り合いをつける桜の冷たさと

南極旅行に行った人の話を聞いた。アルゼンチンから長い船旅なのだそうだ。旅行者は高齢の人も多く、船には棺桶が二つ備えられ、万一のときには瞬間冷凍して最寄の空港から自国に送られるのだとか。・・・マグロみたい・・・。

ペンギンはまったく人を警戒せず愛らしいが、ものすごく臭いらしい。映画「皇帝ペンギン」では、ペンギンが「アザラシだ。臭いよ~」と言っていた。・・・アザラシは相当臭いのだろうな・・・。

2008年4月11日 (金)

間に合わないけど今向かっています

やってしまった~!今日は、大切な会合の日だったのだ!
私ときたら、朝からジムの「自力整体」へ。ひと汗かいて帰宅したら電話。「○○です。あの~今日××会ですけど・・・」「え?・・・!!!きょ、今日でしたね!わ、忘れてました!すぐ行きます!」大慌てで着替え、出発。幸い会場は自宅近くだったが、それでも大遅刻。大顰蹙だった。

間に合わないといえば、父の最期にも間に合わなかった。
容態が悪いとは聞いていたが、当時仕事の一大イベントの準備に追われ、見舞いにも行けなかった。
実家からの一報に、徹夜で仕事の引継ぎを整理して、早朝同僚に届けに行き、喪服などを準備。その間、通夜、葬儀をめぐって、実家の母、妹と電話で言い争ってしまった。
離れて住む父に、何もしてあげられられなかったやるせなさ。ぬくもりのあるうちに「ありがとう」も伝えられず、すぐに駆けつけることもできないもどかしさ・・・。あの時は、ことばにならない哀しみでいっぱいだったのだ。
「それは身内でするから、心配しなくていいから・・・」・・・離れている私を気遣ってのことばだったのだろう。けれど私は、根っこを切り落とされたような気持ちだった。

飛行機で実家へ向かったはずだが、あの日の空の色も何ひとつ思い出せない。記憶では、闇の中にふわぁと喪の家の灯りが浮かんでいるのだが、果たしてそんな時間だったのだろうか?
亡父に会うまで、私も小さな死を体験していたような気がする。

2008年4月10日 (木)

つぶやいたその名を舌に棲まわせる

退職したので、新しく4月始まりのダイアリーを使うことにした。これまではマンスリースケジュールのみだったが、日毎に書き込めるページがあり、日々気になったことや拾いあげたことばなどメモしている。

たとえば今日は・・・、まっとうなこと、断りやすいように頼む、息を吹き返す、尖ったもので撫でられる、言わないという嘘、掘り下げるクセ、まるみえのカフェ、石の店、唐手道場・・・など、なんじゃそりゃ~が並んでいる。絶対に落とさないようにしなければ!

2008年4月 9日 (水)

とめどなく正直になる花ふぶき

なにかの拍子に、思わぬ相手に胸のうちの澱のようなものをみせてしまうことがある。
降りやまない花に狂わされて、とめどなくなってしまったり・・・。

2008年4月 8日 (火)

あいされてあいされつづけ水になる

今日は、出かけたついでに電車を途中下車して3駅ばかり歩いた。地名をなぞりながら、よそのお宅の庭の花々を愛でながら・・・。自宅近所まで風景が違って見えて、知らない間に家を通り過ぎていた。

思い続けることは、歩き続けることとも似ていて、だんだん無に、水になるようだ。

2008年4月 7日 (月)

校舎裏かくれて泣いている桜

桜雨・・・堂々と咲き誇る桜にも苦悩がありそうな・・・。人目を忍んで泣いている姿をはじめてみた。

2008年4月 6日 (日)

雨らしい今絶叫の百合ひらく

堪えきれず、身を裂くようにひらいた百合。雄しべが揺れ、赤茶色の花粉が白い花弁を汚した。

2008年4月 5日 (土)

きしきしと骨しならせてよろこばす

朝から句会の兼題「笛」を考える。「草笛」・・・「口笛」・・・試しに口笛を吹いてみたら、ふゅ~と頼りない音が出た。口笛といえば、あの曲しかない!サントリーオールドのCMの♪ダンダンディダンディ・シュビダディン オデェ~~エ~~オ~・・・♪ネットで検索したら、すぐに見つかった。口笛のところがたまらなくいい。BGMに流して身支度をしていたら、とても大人に仕上がった気がした。

ダンダンディンと家を出て降りてきたエレベーターが開くと、小柄なおばあさんが乗っていた。おばあさんは、「桜が見ごろになりましたね」とゆっくり丁寧に言った。「ええ、今日はお花見日和ですね」と、大人の会話をした。おばあさんの首や手の骨は細くて頭蓋骨もとても小さく、かすかにお線香が香った。駅に向かう途中、桜の枝が骨に見えた。

シュビダディンと駅に着いたら、ちょうど電車が出るところだった。目的地に着いたら、地図が読めず散々迷った。頭の中は一日・・・ダンダンシュビダドンで、あわてず騒がずやり過ごした。明日の朝も聞いた方がいいものかどうか迷っている。

2008年4月 4日 (金)

またひとつ失いたくて花の下

いつもの珈琲の味がおかしい。夕べ、ビールも水っぽかった。辛味と苦味の味覚が鈍って、すべてがぼやけている。
花の下に長くいたせいだろうか・・・?子どもの頃、花の下に長くいると、からだに悪いと注意された。たぶん花粉症の薬の副作用だと思うけれど・・・。
毎年、花の下でなにやかやを失って、やがてなにも感じなくなって、うすうすと消えていくのも悪くないか・・・。・・・あ~花の神様お願いです。味覚は、最後の方まで残してください・・・。

2008年4月 3日 (木)

昼酒のとろんと言うてしまいそう

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おもろい店通の友人の案内で、そば切り「凡愚」(大阪市大正区)へ。
お蕎麦もおいしいけれど、なんとも素敵な空間!なつかしくて、あたたかくて、おしゃれで・・・。(しかし、なんて下手な写真なんだ!)
冷酒をちびちび飲みながら、太切り、細切り、大根おろしそば、かも汁そばと、フルコースでいただく。
残念ながら夜も宴会だったので、お酒はぐっと控えめ。
好きになってはいけない人を想うような、昼酒の酔い心地・・・。

2008年4月 2日 (水)

飲み込んでほしかったウソ糖衣錠

やさしいやさしいウソだったのに・・・。信じて飲み込んでくれたら、きっと心も軽くなったよ。どうして噛んじゃったかなぁ・・・。

2008年4月 1日 (火)

信じよう夜半に生まれたことばなら

たのしいウソのひとつもなく、平穏な春の一日が終わります。ウソのように美味しい蕗味噌が炊けました。

月の光に開く花あり。闇に生まれる命もあり。・・・しじまに湧き出ずることばもあり。

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