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2008年7月

2008年7月31日 (木)

外灯の父はぼんやり立っている

某サイトの「怪談話」を読みふけってしまった。
怪談といっても、身の毛もよだつ怖い話もあれば、近親者や友人といった亡くなった人が、報せてくれたり、訪ねてきてくれたという話も多かった。

私の亡き父も葬儀の日の夜、私のところに来てくれた。
あの煙草の匂い、父の声・・・あれは間違いなく父だった。
というわけで、私はそういう話をかなり信じる。
外灯の灯りがゆらゆらしたりすると、お父さんかな?なんて思ってうれしくなるのだ。

2008年7月30日 (水)

この雨があがれば無花果が裂ける

うすうす感ずいていて、覚悟はできている。
取り乱さないよう、潔く裂けてやろう。
逆らえないもの。

2008年7月29日 (火)

さっきまで声のしていた箱のぞく

弘津秋の子さんの川柳句集「アリア」を読む。
  まっさらな空つっきって帰ります
  幸せな人はゆっくり返事する
  したたかになってきたなあ真っ白だ
  それではと鋏になって立ち上がる
  祈りつづけていると夕日は沈みます
  ぶんぶんぶん蜂は蜂しか愛せない
  そいえば離れて暮らす天と地も
  発声練習私を破りたいのです

孤独をたたえたおだやかさ。あたたかなかなしみに包まれる。
川柳っていいな。人っていいな・・・。
私もやっぱり詠みつづけよう。

静かになるって、怖いことですね・・・。

2008年7月28日 (月)

ここからは咲きたいように咲きなさい

娘が赤ちゃんのときにお世話になった方とランチ。

「いっぱい笑ったやさしい目やね・・・」と、娘。
そうね、彼女はいっぱい笑い、いっぱい笑わせ・・・いっぱい泣いたんだよ。自分のためにも、人のためにも・・・。

今日の名言
「夢はね、最年長芥川賞作家なの」
・・・いつか小説を書きたいのだそうだ。なんて素敵!

私はというと、川柳をはじめて4年目・・・こんなに詠めなかったことがないくらい、詠めない・・・。ちと苦しい・・・。

2008年7月27日 (日)

咲ききって根っこあっさり土はなす

実家で草引き。花のおわった草の根は、もうがっしりと土を掴んでいない。ほろほろと土がこぼれる。私の根っこも、もうこんなもんじゃないかしら・・・と、ふと。
汗と泥にまみれるほど、空は美しくなる。

2008年7月26日 (土)

うつくしい箱にしまっておく言葉

和紙につつんで、化粧箱に入れておきたい言葉だった。
何気ない会話のなかのひと言、あなたはきっと「そんなこと言ったっけ?」と忘れるでしょうね・・・。
たからものを、ありがとう。

2008年7月25日 (金)

抗ってみせて茶筒の蓋ポンと

ちょこっと反発するのよね。
力任せに引っ張ると、お茶っ葉が飛び出したりしてね。
力加減が難しいのよ・・・。誰かさんみたいに。

明日も暑そうですね。
暑い中、ようこそ来てくださいました。
ありがとう。

2008年7月24日 (木)

しわくちゃのままで乾いている私

このところ人のペースに合わせること、人の都合を優先することが続いている。とうとう握りつぶした紙のように、くしゃくしゃの形で乾いてしまったようだ。
さて、ぬるめのお湯にでもゆっくり浸かってみるとするか・・・。

2008年7月23日 (水)

恋たぐる花火の写真みるように

日差しも、ことばも、においも強い町だった。
人々はよく喋り、喜怒哀楽を露骨に表す。いかにも「めんどくせ~」という態度の店員、スタッフを怒鳴り散らすマネージャー・・・慣れてくると、分かりやすく人間的な気もした。
疲れたのは、人工的な町だったからだろう。高層ビルの直線に囲まれ、緑と曲線が恋しかった。

娘が夜景の写真を撮ろうとしたが、なかなかうまくいかないようだった。
夜景も花火も、どんなにうまく撮れていても、実物のような高揚感は湧かない。

2008年7月19日 (土)

私の川の深みでゆれる月

近ごろベランダに痩せた雀が一羽くる。パンくずを置いたら、ちょくちょく顔をみせてくれるようになった。
仲間を連れてきたり、他の鳥が気づいてくるようになったら困るよなぁと思いながら、水浴び用のバスタブみたいなのを置いてあげたくて探している。

明日から22日まで、あぶくはおやすみです。
ゆれる月を身の内に抱えて、ちょこっと行ってきます。

2008年7月18日 (金)

一斉に首の流れてゆくプール

何も考えず抵抗しなければ、自然と流される。その方がラクに決まってる。
でも、立ち止まらずにいられなかった。もぐってもみた。
思い切り飛び跳ねたら、空に着地した。

2008年7月17日 (木)

終点の手前で揺れるもう一度

結論の出る手前、終わりが迫りくる・・・もういちど大きく揺れる。

2008年7月16日 (水)

うたた寝の隙に闘志を盗まれる

かなしくても、こわくても、眠くなる。
怒っているときは、やや寝つきが悪いもののやはり眠くなる。
ふわ~っと夢うつつの間に、一番失くしやすいものは「怒り」。
かなしみや不安は、目が覚めても、からだに沈んでいる。

2008年7月15日 (火)

私の揺れにだあれも気づかない

いつもそう。だれも気づきません。

揺れていると思うのだけど・・・。

2008年7月14日 (月)

脱げませんぺったり今日がはりついて

さっさと脱ぎ捨てたいのに、もうなんてうっとおしい!
また太ったんじゃないのぉ?なんて言ったの誰?炸裂するぞ~! 

所用ではじめて公証役場へ。窓口のカウンターはひとつ。その前に長椅子がふたつ。込み入った用件の人もいるのに、プライバシーが確保されない。
離婚に伴う親権や養育費の取り決めらしき一組の男女。養育費の額と支払い期間を決めて記入するよう窓口で書類をつき返され、長椅子で話し合う。人目(耳)を気にしながらも、次第に感情的なやりとりに・・・。居合わせるほうも耐えられなかった。応接室へ通すくらいの配慮があってもいいのに・・・。

2008年7月13日 (日)

濡れているうちは嘘などつかぬ蟹

おがくずにまみれいよいよ乾きはじめると、現実から遊離する蟹。ぶくぶくと吐く白い泡は、抱きつづけた夢か、海の歌か・・・。

2008年7月12日 (土)

あそびですかと袋のなかの赤い魚

「金魚すくい得意?」 
「不得意だよ。・・・選ぶから・・・好みのこを」
今度いっしょにしようね、そんな約束もあったなぁ。
あれから、金魚すくいはしましたか?
私は一度もしていません。

2008年7月11日 (金)

微笑んでこわがらなくていいという

ほんとうに怖がらなくていいときに、わざわざ断る必要はない。

・・・娘たちよ、気をつけなさい。

2008年7月10日 (木)

点線をずれて折り目をつけられる

数人で作業をしていた。
私は、意外に几帳面な部類だと確認する。
整然とした感じはイヤだという人もいて、おもしろかった。
多様性を尊重しあえる場は、居心地がいい。

2008年7月 9日 (水)

鳴りやまぬボレロ氷河は溶けてゆく

北極点がもうすぐ海に沈んでしまうのだそうだ。
もうすぐってどのくらいなのだろう?

氷の原野にボレロが流れている。
ドラムが重々しいリズムを単調に刻む。メロディーはフルートのソロで軽やかにはじまり、クラリネットやオーボエ、チューバなど楽器を順に変えながら果てしなく繰り返されてゆく。次第に緊迫した高まりをむかえ、最後は大合奏で崩れ落ちるように終わる。
・・・氷原が海に沈む。

2008年7月 8日 (火)

背を向ける川の流れが早くなる

決心して背を向けた途端、女の川は一気に流れる。
川べりで摘んだ花も、あの日映した顔もあとかたもなく流してしまう。

男の川は、流れが悪い。笹の舟も、花びらも流さないように流れている。
そうして何度ものぞいて、流れていないか確かめる。

2008年7月 7日 (月)

拭いているうちに私のものになる

「私が来てからやで、この廊下も階段もこんなピカピカになったんわ・・・」
私が10歳のとき、同居した父方の祖父母の家で、母は、毎日拭き掃除をした。拭いて、磨いて、光らせて、母は自分の家にしていった。

赤ちゃんのきゅっと握った指をこわごわ開いて、そっとそっと拭きながら私は母になった。

そして、何度も何度も拭いて、私の顔も私のものになった。

2008年7月 6日 (日)

さらさらと笑いさらさら泣いて 川

火葬場のロビーで、もうすぐ焼かれる死に装束のふたりが桜を眺めながら話している・・・。そんな場面からはじまるお芝居を観た。
流れていた音楽が大好きなラヴェルのボレロ。読経の音もはさまるのだけど、実に相性がいい。どちらも静かな波のような、絶え間ない反復だもんね・・・。

駅前(JR森ノ宮)の帽子屋さんで、帽子12コ、1,000円の福袋(実際は13コ入っていた!)を買ってきた友人がいて、お芝居終了後5人で爆笑の争奪戦。みんなで帽子をかぶって入った立ち飲みやでは注目の的だった。娘は「桐ちゃんら、よう遊ぶなぁ・・・」と呆れていた。

2008年7月 5日 (土)

蝶も翅あわせて祈る 雨になる

あれは、父娘の愛とも男女の愛とも違うね・・・。そういうのを越えたもっと大きな愛だと思った・・・。「ミリオンダラー・ベイビー」を観た娘の感想。
桐ちゃん泣いた? ・・・泣かなかったよ。
私、クリント・イーストウッドの目がやさしすぎて、あそこで泣いてしまった。・・・娘が急に大人にみえた日。

2008年7月 4日 (金)

やたら愛想のいい沼が追ってくる

青空を映した水たまりのように見えたのに、底がない!
大あわてて逃げたら、追ってくる!
この島の、あちこちに出没している。

さて、お出かけ。
出かけるときは、娘の食事を準備して「お品書き」を置く。
「オムライス」「さくらんぼ」「そうめん」・・・みんな、なんてぴったりな名前なんでしょう!ちょこっと感動!

2008年7月 3日 (木)

順に咲く番号札を渡されて

行く先々で番号札をとって順番を待つ。
銀行では本を読みふけってしまい、呼ばれたのを聞き逃して番号を取り直した。
私には、好きな数字と苦手な数字があって、番号によって気分が浮き沈みしてしまう。
おまけに、最近は3の倍数が当たると、「世界のなべあつ」で呼ばれやしないかとあらぬ期待をする。
今日は、期待混じりの浮き沈みの激しい日であった。

3年前、友人にすすめられた「ミリオンダラー・ベイビー」をやっと観た。
日本では、映画にしても、文学にしても、葛藤を乗り越えた家族(血縁)の絆の描かれる作品に共感が集まりやすいように感じる。(「シズコさん」もそうですね。)
この映画では、まったくの他人の父と娘のような二人の絆に、深い安堵を覚えた。

2008年7月 2日 (水)

あじさいの深みにはまるかたつむり

葉っぱのうえで遊んでいればいいのに・・・。
奥の奥の奥を確かめなければ気がすまないかたつむり。
ほら、花がきれいだよ。やさしい雨だよ。と呼んでも知らんぷり。
こまったなぁ・・・。

おいしそうなアイス買ってきたよ。
え~っ、これ何味?迷うよ~。どれ食べよっかなぁ?
・・・なんだ・・・ふぅ・・・疲れた・・・。

2008年7月 1日 (火)

傘たたむ母かなしみのかたちして

かなしみを閉じるように傘をたたむ。
雫がとめどなく落ちる。
・・・ごめんね。

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