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2009年3月

2009年3月31日 (火)

ふれられてかたちをおもふ耳の骨

雑誌が低迷しているなかで「Hanako」が好調なのだそうだ。リニューアルで、ビジュアルを重視し、“眺めていてたのしい”“生活空間に置いておきたい“”何度でも触れたい”と思わせたことが、成功要因だとか
わかる・・・。私も「日々」という、衣食住にまつわる情報誌が好きで買っているが、雑誌の紙の質感、デザイン、写真、フォント・・・ひとつ一つが好きで、ついそばに置いておきたくなる。

さて、そばに置きたい・・・はないと思いますが、「くねる」2号が出来上がりました。さくら餅カラーで、なんとかさくらに間に合いました。くねる女、女の手・男の手・・・メンバーの失敗談、お悩み相談室などなど・・・もちろん川柳も、増ページでお届けします。
読んでみたいと思われるむきは、kunerist@yahoo.co.jp までお申し込みくださいませ。

2009年3月30日 (月)

白いリボンほどけるように蝶別れ

20センチほどのリボンを、ちょうちょにして真ん中をワイヤーで止めてラッピング用のリボンを作った。
Nちゃんのは、止めのワイヤーがゆるめで、なぜか左羽根が右よりひとまわり大きく、ほわわ~んとしていた。
Tさんのは、リボンの切り端が鋭角で羽根はきりっと上むき、小股の切れあがったようなちょうちょ。
ごちゃまぜにしても、誰が作ったリボンなのかすぐにわかる。こんなところにも、はっきり個性が表れるのだと感じ入った。
まじまじと自分のリボンを眺める。左右対称、羽根の角度もなにもかもフツー。やっぱり・・・。

2009年3月29日 (日)

夢でした芽キャベツほどの恋でした

娘からの電話に起こされる。風邪をひいて熱があるので、お粥の作り方を教えて・・・と。おいしい粥はできたかな?

電話の最後に、ちょっと恥ずかしそうに、「あのさぁこの前、私コクハクされてん」という。何でも日本の男子では考えられない口説き方なのだそうだ。娘の滞在はあと三ヶ月。
「三ヶ月、僕は全力を尽くす。絶対に後悔させない.。・・・・・・君が僕の笑顔をつくるんだ」って。で、で、で、どうしたん?
「断った。あと三ヶ月で恋する気もないし、いい友達としか思ってないし。・・・そういう思い出作るのも悪くないかな?って、ほんの一瞬思ったけどね」「えらい!あんたはえらい!そうそう、軽々しい恋なんかしちゃダメ。恋は大事にしなさいね。ほんとうの恋は、するとかしないとか理屈なんかじゃないんよ」

恋愛について彼女に言ったことで、悔いていることがある。あれは彼女が中学生のとき、友達のNちゃんが失恋して激しく落ち込んでいると心配していた。
「この世に絶対この人じゃなきゃダメ!なんて男はいないのに・・・」と言ったら、「ぎゃははは・・・、そうなんやぁ!」と大うけしていた。
その後私は、恋愛初期の盲目状態ではなく、「この人と出会うために私は生まれてきたのだと思う」と静かに強く語る人に出会い、衝撃を受けた。そういう出会いを信じていないと、運命の出会いには恵まれないと思う。彼女にもめぐり合わせを信じてもらいたい。
あの話を覚えているかどうか分からないけど、いつかのタイミングで話そうと思う。

2009年3月28日 (土)

ひらがなになった そろそろ帰ろうか

ストレスを感じたときは、好きな場所に寄り道して帰る。いちばん多いのは本屋。あとは、台所用品や文房具、特に紙製品などもたまに・・・。あ、ビールの置いてあるところもでした。
ようやく自分の扱いに慣れてきたのと、今は有り難いことに時間的な余裕もある。
仕事と子育てでしっちゃかめっちゃかだったころに、知っていたら違っただろうか?
こうして、あとから気づくことばかりだなぁ・・・。

2009年3月27日 (金)

その人がひねると「虚っ(キョッ)」という蛇口

実家の蛇口を閉めるには、力とコツがいるようだ。
私が、ぎゅうううううとひねっても、水は止まらない。
父が蛇口の呼吸にわせるように、きゅっとひねるとピタッと止まる。
そのとき蛇口は、やられた~という感じで「キョッ」と声をあげる。
おもしろいので、修理しないでほしいなぁと思っている。

2009年3月25日 (水)

春のウツ異国のラジオ聞くように

アメリカの片田舎の安宿に着いたのは深夜だった。部屋でまず、お風呂のお湯が出るか確かめる。案の定出ない。フロントに言うと隣の部屋に移された。
翌朝は、5時半に迎えの車が来ることになっているので、手早くシャワーを浴び、床につく。
うとうとしかけたとき、部屋のドアの開く気配がし、誰かが私に馬乗りになった。軽い。子ども?金縛り状態の私の首に手がかかる・・・ちいさな女の子!
(お願い。いたづらはやめて。お願い)・・・必死で懇願していたら、ふいに手がはなれ、女の子がベットからぴょんと飛び降りて、小走りに出て行った。小花模様のかわいいワンピースを着た、3~4歳の女の子の後姿が見えた。・・・そこからが長い夜だった。
夜明け前には、出かける準備をしなければいけない。鏡をのぞくのが怖くて、ラジオをつけてみた。私は英語が堪能でない。理解のできない言葉が、あやしげな呪文のように不安をかきたてた。

そのトラウマでか、外国でラジオを耳にすると得体の知れない不安に包まれる。

2009年3月24日 (火)

証拠隠滅 薔薇の匂いは薔薇で消す

匂いは隠せないもの・・・。

2009年3月23日 (月)

パンと海苔たたいて亡父のいた茶の間

小柄なのに、やたら大きな音をたてる人だった。くしゃみも、鼻をかむ音も、足音、水音も盛大なのだ。父に腹が立っているときは、父の音が耳について苛立ちを倍増させ、結婚するときは絶対に静かな人にしようと誓ったものだ。

ちいさな頃の朝ごはんの食卓には、みんなが味付け海苔をパンパンたたく音が響いた。父の音はとりわけ大きかった。私は、中学生くらいからパン食になり、そのころから海苔を食べるときもたたかなくなった。

たわむれに海苔をたたいてみたが、父のような威勢のいい音は出ず、さみしい破裂音がした。

2009年3月22日 (日)

忘れられなくして別れてあげる

月の子忌句会の兼題に「悪女」というのがあった。
「悪女」という言葉はあるが、「悪男」はなく「悪人」になる。「悪女」というのは、あくまでも男にとっての悪い女ということなのだろう・・・。

男にとって痛い女は、忘れられない女ではないかと考えた。具体的なイメージとしては、少々古くて恐縮だが、ふた昔前にちょこっとブレイクした、裕木奈江という女優さん。なんとも儚げで、父性本能をくすぐる(と思う)。特に、指先が見えるか見えないかのセーターの袖丈が、いかにも悪女ぽかった。(どうしても句にならなかった)
今思えば、「なえ」という名前も悪女らしい。囁いただけで力が抜ける(と思う)。「桐子」など、少々腹に力を入れないと発音できない。

  火を詰めたハンドバックを持ち歩く  ふでこ

そして悪女は、遊びの恋ができないのに、ときめき体質なのだ。次から次へと火をつけて回る。相手は、ほんとうの愛だけに終生引きづり、忘れられない。

大会では、立ち上がるときに「どっこいしょ」と掛け声をかけ、ゴミの分別もきちんとできる市民派悪女が印象的だった。「わたし悪女やし~」と自分で言い、「悪女ぉ?魔女やろ?妖怪ちゃうんか?」となどと突っ込まれる、かわいいおばちゃん悪女。

 たまに欲しくなるイカ焼きと悪女  桐子

そんな悪女なら、男はイカ焼き同様、たまに恋しくなる・・・。

夫に保険をかけて殺めるような本物の悪女は、川柳になじまない。本物の悪女は川柳などしない・・・たぶん。

2009年3月21日 (土)

獣偏外さんと来い狼よ

銀行で用紙に記入していると、いきなり「ね、イタチってどんな字だった?」と聞かれた。
「イ、イタチですか?・・・さぁ・・・けもの偏ですよね?里は狸だし、瓜じゃ狐だし、白はなんでしたっけ?・・・ごめんなさい、知りません」
「まあいいわ」と、60代とおぼしきその方、ひらがなで記入していた。住所欄だったので、ちょっと驚いた。

で、イタチですが「鼬」ですって!ねずみのでっかいのってことでしょうか?ド忘れしても無理ないかな?

2009年3月20日 (金)

咲いているかしら わたしの散るころに

桐の花を見たこともないのに、川柳の雅号を「桐子」にしたと言ったら、じゃぁ見に行こうよと、友人が探してくれた。
大阪の知らない街のまったくの民家だった。木の大きさの割に花は控えめで、見上げた枝先にうす紫がちょぼちょぼとついていた。落ちている花をみると、なんだか野の花のよう。
そこから街道筋のようなところを歩いていると、もっと大きな桐の木があって、庭仕事をしていた家の方が中へ入れてくださった。背が高すぎて、散り始めてようやく咲いてたんやと気づくのではないかしら、と思った。

 間違いは間違い通せ桐の花  新子

不器用なまでに、まっすぐに空を愛するかのような桐が好き。
私の散るときに、咲いていてくれたらうれしい。
(月の子忌三回忌句会 「散る」近藤良樹選)

2009年3月19日 (木)

この春のさみしさレタス一個分

芽吹き花咲くエネルギーは、そこはかとない不安や揺らぎも生む。
うきうきする躍動感と、おぼろな不安感のバランスのとれない人がでてくるのも、仕方のないことだ。

私は、さしてこころ弾むこともなく、レタスほどの淡いさみしさを抱いてこの春にまどろんでいる。
(月の子忌三回忌句会 「春」渡辺美輪選)

2009年3月18日 (水)

丁寧に箸置くように散るのです

そのときには、あわてず騒がず凛と散りたい。

一方・・・、
 散り際にすこし乱れてみる黄菊
こんな願望もないでもない。

(月の子忌三回忌句会 「散る」近藤良樹選)

2009年3月17日 (火)

LPに針 くちびるまでのもどかしさ

黒いレコードにそおっと針を落とす。ツ、ジジジ・・・じれったいような、高鳴るような・・・なつかしいなぁ、あの音。
一番聴きたいアルバムは、ラムゼイ・ルイスの「REGACY」。ジジジ・・・から、ふいに目覚めゆっくり身を起こすように曲がはじまる。あのジジジとぴったりだった。

ところで近ごろ、急に耳が遠くなった気がする。聞き違いがとても多い。
昨日も駅で「婦人靴を見かけた方は、駅係員に・・・」というアナウンスを聞いて、なんでまた?と一瞬考えた。あ、「不審物」か・・・と気づいたけれど、そのうち間違いにも気づかなくなるのだろう。・・・たのしいな。

2009年3月16日 (月)

青年の夢汗ばんでコカ・コーラ

月の子忌句会、開会のご挨拶の中に「時実新子の“わたくし発”の川柳を・・・」ということばがあった。
タイトル句は、「夢」のボツ句。自分では気に入っていたのだけど、なるほど、“わたくし発”になっていない。

2009年3月15日 (日)

かんづめの桃 そうねこの世はあかるすぎ

今日は、新子先生の三回忌句会。180余名の盛会で、きっと先生も喜んでおられるでしょう。
そして友人が、予想通りの鮮烈なデビューを果たして、気分上々!今夜のビールは、最高でした!




2009年3月10日 (火)

沈黙の森にマスクを外される

花粉症にも負けず、一休寺の吟行に参加。
ちょっとした森の中は、空気もみどり。
そのみどりを、深く吸い込む。

吟行のあと、ボツ句をよくみることが大切と教えていただいた。
拾い出してみると、どれも川柳としての出来は悪いけれど、吟行ならではの句でおもしろかった。
 着くずした椿にそっと注意する
最後まできちんとしなさい・・・って、卒業式前の風紀担当の先生みたい。



2009年3月 9日 (月)

切っても切っても自己愛 蜜林檎

花粉症の薬でぼや~っとしたまま、ちいさな古い商店街を歩く。
ビューティーサロン、洋品店、時計屋・・・知らない道の方へ行くと、いきなり墓地に出た。
ぼんやりと墓石の名前を読みながらすすむと、ちいさな児童公園へ。ちいさくなった気分で、青いライオンの背中に座る。

いつもはたい焼きのしっぽから食べるのに、頭からかじってみた。小さいころは、いつもそうしていたような気がして・・・。

2009年3月 8日 (日)

ひとり夜に描くわたくしの展開図

近ごろ、古い映画を観ている。
夕べは、新藤兼人監督の「鬼婆」。

背丈ほどもある芒が原。大きな穴。
外れなくなる鬼の面。
形は違えども、今もそこここにありそう・・・。

女優魂か、監督への愛か・・・
あの乙羽信子さんが、とにかくすごい。

2009年3月 5日 (木)

三月のかがみ足から消えてゆく

夢の話ほどつまらないものはないと言われますが・・・。
夢の話です。すみません。

鏡をのぞいたら、左足がなくなっていました。
自分のからだの左足を確かめて、もう一度のぞいたら、
今度は右足の足首から先もなくなっていました。
怖くなって、鏡に背を向けて逃げました。

願わくば腹回りの贅肉とか、しみ、そばかすが消えてくれたらいいのですが・・・。
川柳では、なかなかとんだり跳ねたりできないのに、夢はかなり奇想天外です。
うまくいかないことばかりです。

2009年3月 3日 (火)

すっこめて生きるが勝ちよ亀さんよ

亀はあまり好きではなかった。
からだのバランスといい、あの疑り深そうな目つきといい・・・。

近ごろ、防御しかしない亀に愛しさを感じる。
あなたのリズムも、愛想の悪さも・・・。好きだよ。

2009年3月 1日 (日)

くたびれた空をあらよと裏返す

三月です。
花粉症にやられています。
かなりきついです。
私もひっくり返して、ざぶざぶしたいくらいです。

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