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2009年5月

2009年5月31日 (日)

じゅんさいなおとこを呑んで五月尽

なにを考えているのかわからんやつなど、
つるんと呑んでおしまいにして暦をめくりましょう。

しかし、じゅんさいって不思議な食べ物ですね・・・。
むかしむかしの水中の生き物の、白昼夢を食べているよう・・・。

2009年5月30日 (土)

うつぶせて背筋うつくしカキツバタ

ふっくらと無垢なお顔立ちも魅力的だが、立ち姿の美しいこと!
寝ても、うつぶせても、泣いても背筋がピンと伸びている。

誰も見ていないときこそ、自分に試される。
缶ビールをそのまま飲んだりしたら、そこから崩れるのだ。

2009年5月29日 (金)

すぐそこと思える海をあの人を

荒れては静まり、また荒れては静まりする海辺が舞台の映画を観た。ああゆう景色を見ながら育つだけでも、こころが鍛えられると思った。

ちょっと居丈高に出られると、たちまちおどおどししてしまうのは、平坦な田圃の中で育ったことも影響しているかもしれない。

髪の先っぽをそろえるだけだからと思って、大衆調髪店に行った。
ニコリともしない美容師さんに、椅子に促され座る。
「だいぶ長い間カットしてないねっ」
(ひぃ、怒ってる?髪をカットしていないだけで、風呂に入っていないわけではない。怒られるはずはない・・・落ち着け・・・)
「は、半年くらいです・・・(声が裏返る)」
「何センチ?」
(切るのですか?と聞かれているのだな・・・)「あ、2センチ。あ、前下がりのボブで」
「裾は不揃い?揃える?」
(おそるおそる)「不揃いって、その・・・どんな感じですか?」
「Hu(鼻で笑ったような音)、不揃いは、不揃い」
(わからないよぉ・・・もういいや)「揃えます」
「揃えるのっ!」
(そんなにおかしいのか?しかしここで撤回しても怒られそうだ・・・)
「は、はい、揃えます」

しばらく北の海辺で暮してみたいと思ったことだ。

2009年5月28日 (木)

どことなし酸っぱくなって過去になる

きのう実家からの帰り道にクロカフェをのぞいたら、消しゴムはんこの作品展中のいっぽさん&こんさんらが欅の下で飲んでいるではありませんか!すでに飲んでいたのに、またあたらしい気持ちでお仲間に入れてもらう。

いっぽさんのお家や木やことばのはんこは、とにかくやさしい。野の花のようでもあり、ひと匙のおかゆのようでもあり・・・押して眺めてしていると、ほどけるような、ゆるむような不思議なゆるゆるパワーがある。(ネットで作品を見て注文もできます。「消しゴムはんこ いっぽ」で検索してください。)
クロスロードカフェ『はじめての「いっぽ」展~おうちときときもち』は6月8日まで。

欅の下の宴では、熱烈なキヨシローファンのPちゃんが、夕べもキヨシローへの想いを熱く熱く、暑く(笑)語っていた。
キヨシローの「愛してるかい」。いっぽさんの「いっぱい いっぱい ありがとう」。
ちょっと気恥ずかしいようなど真ん中直球でしびれさせるってすごいことだなぁ・・・と、風に吹かれながら思っていた。

そういえば、詩的な手紙よりも、理屈抜きに心打たれたこともあったなぁ・・・。おぉ、酸っぱい、酸っぱい・・・。

2009年5月27日 (水)

湯を注ぎ3分待ってできた沼

昨日は、新子先生のお墓参りへ。新子先生の教室でいっしょだった方々との再会もうれしい。今年は、中のお一人の句集出版の報告もあり、先生もよろこんでくださったのではないかな?

最近お身内を亡くされた方が、「こうして会いに来れるから、お墓っていいね」と、しみじみ言われた。
近ごろ、肉親や愛する人を亡くす話に接することが多くなった。以前にも書いたけれど、ほんとうに出会った人との別れはないのだなぁと思う。

バタバタと帰宅し、くらげ句会へ。今日は、あまり深くないヘンな句が多く、正調派川柳はソンをしてしまった。ヘンの中から、佳いヘンを選ぶのはとても難しかった。
タイトル句は、私のヘンな句。カップ麺は、確かに底なし沼やと、座の読みが一致したのもヘンだった。

2009年5月26日 (火)

食パンの白をわたしの白と決め

近ごろ、二番目によく行くパンやさんに行った。そこはパンの種類が豊富で、コの字型の壁面の棚三段には、ふわふわずらりと菓子パンが並び、中央の台にハード系のパンが並んでいる。パンに囲まれているだけでしあわせな気持ちになり、ぐるぐると2周もしてパンを選んでいた。

中央の台のところに40代と、30代の店員さんがやってきて、40代が30代を指導しはじめた。
40「ここからそこまで、二段重ね。上はななめ」
30「この前は、明太フランスまでって聞きました」
40「そこまでして。ここは前から言ってる通り、ななめ」
30「しましたっ」
40「できてない」

40代が去ると、30代は20代を連れてきて指導し始めた。
30「この前はここまでって言ってたのに、そこまでななめにするんやって」
20「・・・・」

食パンはハラハラし、ねじりドーナツはおもしろがり、メロンパンは聞いていなかった。

白にもいろいろな白があるが、どの白になりたいか?
最後の3つに残ったのが、どくだみの白、阿波和紙の白、食パンの白だった。
僅差で食パンが残った。何といっても、あのやわらかさ・・・。

2009年5月24日 (日)

枇杷とどく 口約束のなつかしさ

いつかいっしょに行こう・・・
そんな約束のあったところから枇杷が届いた。
あかるく、あたたかな枇杷色の約束だった。
つやつやの黒いタネを、今年は植えてみようか・・・。

2009年5月23日 (土)

なりたしは一輪挿しに似合う青

どんな女性になりたいのか?問われたことがあった。
なりたい自分になろうとしてきたと思う。

あらためて問われた。
最近、あまり考えないようにしていた気もする。
大人になりすぎて、自分の理想だけで突っ走れなくなってしまった。
・・・ひとりの似合う老女かな。

2009年5月22日 (金)

ソファのへこみ しずかすぎてやさしすぎて

インフルエンザ、文化施設の休館にもめげず、うつくしい雨の中、16年ぶりの友人と再会。それぞれのあれからをダイジェストで交換。

毎年、「会いたいですね」という添え書きの賀状を交換し続け、会いたい気持ちはほんとうなのだけど、会おうとはしかった。会えない距離じゃないのに。
それが、今年は「今年は、ほんとうに会いませんか」という賀状をもらった。そして、ほんとうに会いましょうとなった。

私のいちばん濃く、熱い、まさに朱夏をなぞった数時間。・・・とりかえしのつかない、いとおしい時間を思って、いっぱいのような、からっぽのような不思議な心もちだった。

2009年5月21日 (木)

祈りになる好き 呪いになる好き

「思うに、私は片思いしている自分が一番好きなんです」・・・友人からのメール。

そりゃあそうでしょう。みんなそうなのではないの?
好きも膨張して爆発しそうになったり、濃縮されてどろどろになったりして、時にやっかいだけどね・・・。祈りにしたいよね。

2009年5月20日 (水)

顔のない大衆(マス)へと流れゆくマスク

阪神間のマスク着用率は、日ごとに増加。今日の神戸は約9割。

娘は、日本での感染1号となった高校生の滞在先、カナダのオンタリオにいるが、マスクをしている人を見たことがないそうだ。学校、公共施設の休校、休館もなく、日本の状況に驚いていた。

ほぼ満席の電車の車内。マスクをしていない人は2人。厳めしいマスクをした50代とおぼしき男性が、ぐるりと見渡してマスクをしていない人を順に睨みつけていた。こういうことに、怖さを感じる。

2009年5月19日 (火)

箱庭療法 弁当つめている

昨日の朝、山椒にあおむしはいた。まだ食べていない小枝が一本あったので、帰るまでそれを食べていてねと声を掛けて出かけた。
夜、木の芽を買って帰ったら、あおむしが消えていた!はだかになった山椒を残して。
今朝、どこかにいないかとベランダの隅から隅まで探したけれど、見つからなかった。匂いで戻ってくるかもしれないと思って、念のため植木鉢に木の芽を置いている。

たとえば私も、あんな風に消えてしまったら・・・。
白いご飯は家。小梅は私。ブロッコリーは遠い山、白滝は川、筍は橋、卵焼きは電車・・・。
ちいさなお弁当箱の中の妄想劇場はつづく。(なんでもあそべるなぁ・・・)

2009年5月17日 (日)

次の間でうたの生まれてくる気配

田楽や吸い物に・・と、ちいさな山椒の苗木を買った。
夕べ、水をやろうとベランダに出たら、葉っぱが半分ほどなくなっている!何が起きたのか?と、よ~く観察すると、「はらぺこあおむし」みたいなのが一心に食べている。
顔を近づけると、気配を感じてかこっちを向いた。ぎゃ、耳と鼻のない象さんみたいな顔。

ちいさな苗木なので、蛹になるには山椒が足りないのでは・・・と、心配しながら寝たら案の定、夢をみた。ベランダを青虫が3匹這っている。あ~、葉っぱが足りなくて探しているんだ・・・。どうしよう、みんな蛹になれないよ・・・。と、ベランダの壁に、靴ほどのサイズの蛹がひとつある。こ、これは・・・いったい何が生まれるのか?! 耳と鼻のない象が出てきたらどうしよう・・・。

とまあ、そんなこんなで、ベランダは昨日までは「家の外」だったのに、「家の中」のような感覚。みどりのいのちが気になって仕方ないのです。どなたか、あおむしくん、いりませんか?もらってほしいです。

2009年5月15日 (金)

本堂のうしろで拭う赤きもの

一休さんも良寛さんも、晩年に烈しい恋をなさったのだとか・・・。
そんな話を聞いたせいでしょうか?
影に、影をみました。

2009年5月14日 (木)

古都ひらく新緑というパスワード

奈良町界隈で吟行。
奈良のおっとりした空気が好き。

秋の奈良は、ゆったりとほったらかすように迎えてくれた。
冬の奈良は、ぐっすりと眠ったままで迎えてくれた。
春の奈良は、木々も、鹿も、亀も、阿弥陀さんも、両手をひろげて迎えてくれた。
夏も行ってみないと。

空気に馴染みすぎて、ゆるゆるの句ばかりだった。(すごい言い訳・・・)

2009年5月13日 (水)

花終えてやっと正気に戻る藤

花の終わった藤を見た。
うすむらさきに煙る夢から覚めたように、青々と溌剌としていた。

夢にさまよい心を病んだ人の話を聞いたばかり。
藤のようなしたたかさがあれば・・・と願う。

2009年5月12日 (火)

おいそれと「はい」と言わない藤の花

所用で日本のへそ西脇市へ。
訪問先の方が、最近は駅伝で知られるようになったけれど、西脇は播州織物や釣毛鉤は国内で圧倒的なシェアを占め、今なら六所神社の藤、もうすぐあじさい公園も見ごろだと教えてくださった。
藤の花!!見たい、見たいと思いながら見逃していたので、無理をお願いして案内していただいた。
残念ながら花はもう終わりかけていたけれど、樹齢300年の枝はおどろの極致。地中から何本もの黒い手が裂けながら捩れながら、絡み合ったり別の木に巻きついたりして伸びている。まさに魔女の手。妖しげなうすむらさきの花を揺らし、催眠術にかけるように幻惑する・・・。

つれあいの祖母は、藤江さんだった。明治生まれの気丈な人で、私は妙に気が合って大好きだった。垂れ下がる花の名はよくないのに、藤なんてつけられたから私は苦労が多かったとよくこぼしていた。
おばあちゃん、やっぱり藤だわ。「そうか・・・」と言いながら、首を縦にふらない感じがそっくりだったよ・・・大好きだよ~。

2009年5月11日 (月)

豆ご飯だあれも悪くなかったね

おじいちゃんからもらったえんどう豆で、朝から豆ご飯を炊く。
青い甘い匂いが、5月の朝にひろがる。
・・・そうだよ。みんな未熟でうまくいかなくて、でも一生懸命だったよね。

2009年5月10日 (日)

あったかすぎる 母の日の便座

はじめて品物を買ってプレゼントしたのは、母の日だと思う。
小学3年生、おこづかいをためてエプロンを買った。カナリア色の地に、緑の魚の形のポケットがついていた。母は取り出すやゲッという顔をして、すぐに店に取替えに行った。どんなエプロンに取り替えたのかは思い出せない。そのときの妹のプレゼントは洗濯糊で、母は大ウケ。それから数年、妹は毎年洗濯糊で母を喜ばせていた。
あの緑の魚も、箪笥のなかで過ごすよりは、かわいがってくれる人の腰のあたりで、機嫌よく過ごせた方がよかった。あれで、よかったのだ。

昨日、お借りした句・・・私の記憶違いで、訂正しております。
すこしの違いでリズムも雰囲気もかなり違いました。すみません。

2009年5月 9日 (土)

朧月はじめましてがさよならで

静かに眠っていらっしゃる友人のお父さんに、ごあいさつをした。
「はじめまして。Aさんとなかよくさせていただいている八上桐子と申します。旅立たれる前にお会いできてよかったです。どうぞお気をつけて・・・。いつかまたお会いできますよう」

 きりんの死きりんを入れる箱がない 俊彦

川柳をはじめて間もないころ、川柳大学の作品賞として目にした松田俊彦さんの句。当時の私には、句意が理解できなかったが、ずしんと心に残った。
そしてある訃報に接したとき、ふいにこの句がわかった気がした。自分にとって、大きな存在を失うかなしみ・・・そのかなしみを納めることのできる箱などないのだ。

朧月が存分にかなしみなさいと言ってくれていた。

2009年5月 7日 (木)

ゆっくりとつめたくなってゆく別れ

波のかたちほど、さよならのかたちもあって、
あっけなかったり、荒々しかったり・・・。

2009年5月 6日 (水)

ぬくもりの行方を追って赤い蔦

蔦というのは、意思を持っているように感じるときがある。何かを追っているような、隠そうとしているような、探しているような・・・。

ムンクの「赤い蔦」も怖かった。真っ赤な蔦に覆われてしまった家は、蔦に呑み込まれ締め付けられ、もう息もできないよう・・・。蔦に追われる男性は、恐怖にかたまっていた。あの血の色の蔦は・・・。

2009年5月 5日 (火)

傾いただけでこぼれてしまうのね

この前聞いた詩の朗読に、
一滴の水もこぼさずに回転するこの星・・・
という一節があった。

こぼさずに歩き続けるのは、むずかしいけれど、
この星は受け止めてくれる・・・。

2009年5月 4日 (月)

この月を包むとすればグラシン紙

朝方のこわい夢を、一日引きずってしまった。夢のとおりになったら・・・と、覚悟しそうになる自分もまたこわくて。
夜になっても心細いような心持ちのままで、空を見やるとおぼろな半月・・・。新子先生の句を思い出す。

  半月はやさしく半月を抱く  新子

闇をおそれてはいけません、桐子さん・・・声が聞こえたような・・・。やっぱり川柳っていいな。
持って帰りたかった・・・月。グラシン紙で包んだら、月の光も透けてきっと素敵。くるんと巻いて、半月の角ののところでキャンディーみたいにねじって。

2009年5月 3日 (日)

海です森です七〇二号室

ひんやりしたところが海、黒いところが森です。
GWは、潜ったり、分け入ってみます。
占いでも、ラッキープレイスは「ベッド」でした。
いちばん好きな場所です。

2009年5月 2日 (土)

おろし金どちらも痛い愛だった

下ろし金を使うと、必ずと言っていいほど中指の第二関節も擦りおろしてしまう・・・。

身を任せる大根は、かたちを失い。おろし金も磨り減って・・・。このような愛のかたちも、またうつくしい。

2009年5月 1日 (金)

明日の取っ手ぐらぐらになっている

寒い、寒いと思っていたらどうも風邪だったようで、熱やらヘルペスやらわっと出てきた。明日の予定はどうなるやら・・・。

そうそう昨日の、タクシーの話でした。
幼い頃、母と出かけるとき、父がよくタクシーに気をつけるようにと言った。あの頃、何かそういう事件があったのだろうか?そのせいもあってか、なんとなくタクシーが苦手で必要最小限でしか乗らない。

乗らない割には、個性的なタクシー運転手さんに出会う確率が高い気がする。
*サプライズベスト3*
3位 浜松(60代?男性) 好きな音楽アーティストを問われ、誰というよりは曲を好きになって幅広く聴く方・・・などと音楽について話が弾む。運転手さんは、このトシになってサザンにはまったのだと、ちょっと恥ずかしそうに話された。いいですよね~、私も好きですよと言うと、自分で好きな曲を並べたというMDをプレゼントしてくださった。帰宅して聴くと、「夏をあきらめて」「いとしのエリー」「鎌倉物語」などの合間に、「エロチカセブン」や「そんなヒロシに騙され」が挟まる・・・ビール、冷酒、スパークリングワイン、ハイボール・・・とちゃんぽんして飲んでいるような気分。スギモトさん、今でも聞いてますよ~。

2位 大阪(50代、男性) 乗った瞬間、緊張した。車内が真っ黒、黒いサングラス。ゆっくり見まわしてやっと、黒が「YAZAWA」の黒なのだとわかった。永ちゃんの熱狂的なファンだったのだ。そして、何の話からか運転手さんの身の上話が始まり、昔はロッカーでダウンタウンブギウギバンドの前座もつとめ、大きなクラブで歌い随分華やかな暮らしをしていたのだと語った。いい声されてますもんねと言うと、待ってましたとばかり永ちゃんの曲を熱唱してくれた。・・・その日は、淀川の花火の日だった。音のない花火と、運転手さんの人生と歌と、黒く黒く運ばれた。

1位 東京(30代、女性) なんと運転手デビューの第一号客だった。地図を渡し、ここに行ってほしいと頼む。運転手さんの地図を持つ手が震えはじめ、突然「すみません。自信がありません・・・」と言う。「大丈夫でしょう。行きましょう」と言うと、運転自体が怖くなったとべそをかいている。「あなたなら行けます。大丈夫です。深呼吸して、とにかく発車しましょう。何とかなります」。東京など不案内で地図も読めない私が、何を根拠に大丈夫と言うのか、自分でもあきれながら励ます。そしてついに発車させた。手のひらに冷たい汗を握りながら、必死で平静を装った。何とか着いた。運転手を一人産み落としたかのように、脱力してドアを降りた。

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