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2009年9月14日 (月)

束ねないでほしい 青すぎる花と

 補聴器に神戸の骨の折れる音
 正解だと思う 蒟蒻の固さ
 金魚鉢で死んでるしあわせな金魚
 味方だと言い張る底のない袋
 消し忘れた色がうしろに座ってる
 人間を踏んで三階まであがる
 落日へ百の心と百の耳
 春は黙って背中の傷口を見せる
 絹こしのこわれやすさにのめりこむ
 振り向いてくれるが立ち止まってはくれぬ

        川柳句集「両忘」 海堀酔月

なつかしくて、さみしくて、おかしくて…胸の奥からじわ~っと湿ってくるような句集だった。
「両忘」とは、是と非、善と悪、美と醜、愛と憎など両者の対立を忘れ去ることだとか。なるほど「諦め」や「開き直り」とは違う、生きることのくるしさの「受容」、やがて訪れる「解放」を感じた。
酔月氏は、「堺番傘」から川柳をはじめ、「川柳公論」、「点鐘の会」などにも所属される方だそうだ。政治が政党や派閥でひとくくりにされるように、川柳も所属で××の川柳、△△の人と言われがちだ。
これからも、一人と、一句と、出会うことを大切にしたい。
 

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