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2012年6月

2012年6月30日 (土)

フエルトの夜空に猫はよくあそぶ

実家の猫が、このところ毎日のように雀を捕る。どうも雀狩りのコツをつかんだらしく、おもしろくて仕方ないのだろう。でも、何とぞ雀はゆるしてやってほしい。雀になり代わって頼んでみたが、尾で軽くあしらわれた。
庭の梅の木の下に雀の亡骸を埋める。いったいこれで何羽めだ。そのうち風に枝葉が揺れたら、雀の鳴き声がするかもしれない。

2012年6月29日 (金)

この先を闇夜の方へ曲がります

ご近所「クロスロード・カフェ」のカフェ公民館。版画家で陶芸家の江崎満さんを囲む会。
江崎さんは、今年還暦。ここからもう一度スタートする!と決め、「ヘタクソを日記のように」と、毎日1作品彫ることにチャレンジ。
それまでは、テーマを決めて作品に取りかかっていたのが、何もない日もとにかく彫る。彫刻刀で線を一本引いてみて、線の伸びたいように任せる日もあれば、即興のように彫刻刀がビュンビュン動く日もあり。行き詰って、休憩しながら彫り上げる日も。創作の仕方を変えたところから、新しいスタイルの作品が生まれたそうだ。
イメージ無く作ったものが、実は自身の内面にいちばん近いものだった・・・というところがとても興味深かった。川柳でも、近い感覚を覚えたことはある。私の場合まだまだ偶然だけれど。

お話の最初に、一方的に話すの得意ではない。言葉が刺さってぶるっと震えて、それに対して言葉を返して、対話は事件であってほしい。とおっしゃったが、幼少期の話から、子育て、死生観・・・すべてが胸に刺さって、ぶるぶる震えっぱなしの夜だった。

2012年6月28日 (木)

ピーカンノソラネンピーカンノンリキ

気乗りしないまま出かけたら、案の定の気分だった。機嫌直しに本屋に寄って、料理本→コミック→絵本→詩歌→文庫と、脈絡無くうろちょろ。「評伝・ナンシー関」を購入。おもしろすぎて、川柳がそっちのけになる。近ごろ、簡単に機嫌が直せるようになり、随分付き合いやすくなってきた。いや、機嫌の直しのコツがようやくつかめた。ちょっと遅くないか? 

自分の川柳は、いいのか悪いのかいつも分からないけれど、今日のは特に分からない。捨てるには惜しい気がして、ここに出してみる。全くあかんで~と言ってもらっても大丈夫です。すぐに機嫌直るから。

2012年6月26日 (火)

雲の流れてインディアンの口承詩

やわらかな雲のながれる朝は
すずめとパンをわけあって
ふるい手紙を読み返す。

とうとう返さなかった返事は
空をながれている。

2012年6月25日 (月)

福祉課のためし書きみたいな返事

文具店のショウウィンドウに、「世界のタメシガキ」とある。なんだろ?と近づくと、筆記用具売り場に備えられている、あの試し書きの紙。世界各国ののものが集められていた。いや~、お国柄かしら? おもしろいのなんの!

アメリカ : ハートやら文字やらが、やっぱりポップ!
フランス : カラーペンのコーナーらしいが、イラストや試し書きの配色がおっしゃれ~!
ブラジル : すべてがまるっこくて、少女ぽい。
ポーランド : 日本だと横にくるくる書くのが、みんな縦。バネみたい。
ベトナム : ゆるいゆる~い、なみなみ。みんな、なみなみ。
バングラデシュ : フィールドを縦横無尽に大胆にペンを走らせる。
ケニア : 筆圧最強。紙まで破けている。超ワイルド。

2012年6月24日 (日)

鉄棒をくるんと月面に降りる

来月の中旬、某大会で選をさせていただく。その夢をみた。
私の題は「丸」のはずなのに、なぜか「豆」の句ばかり出てくる。豆は丸いから、ここは広く豆をいただこうと思うが、さらに、読めない漢字が次から次へと出てくる。辞書で調べても出てこない。どうしよう・・・こんなことをしていたら、時間内に選ができない。
だいたい、どうして私一人ここで選をしているのだろう?恐るおそる部屋を出て、細くて暗い廊下を進むと、ドアがひとつ。そっと開いてみると、部屋中に蔦が這い回っている。教会の礼拝堂のような匂いに誘われ、足を踏み入れた・・・。

ふぅ・・・。なかなか恐い夢であった。

2012年6月23日 (土)

風鈴を鳴らして夜が来ていたり

青年団公演「月の岬」(作:松田正隆 演出:平田オリザ)
長崎の離島に暮らす、早くに両親を亡くした姉と弟。弟は妻を迎え同居が始まり、姉の昔の恋人は妻子を捨てて島に戻ってくる。近くに住む妹や、弟の教え子、元彼、元彼の妻子・・・家を訪ね来る人たちとの会話から、確執や愛憎があらわになってゆく。

一人親と一人っ子や、この劇のような二人きりの姉弟のように、濃密にならざるを得ない家族がある。「家」という縛り。小さな島の「共同体」という縛り。そんな中で、自分の思うように生きようとすると、社会からはみ出してしまったり、あるいは誰かを傷つけ、また、何かを捨てなければならない。
それぞれが何を選択したのか見えないまま、プツンとお芝居は終わる。あなたなら、どう生きますか?と問われるように。

平田オリザさんのお芝居は初めて観た。暗転を使わず、風鈴の音と照明の明暗が場面を変えていた。風が吹く・・・そんななんでもないことで、人生が思わぬ方向に動くかのように。
受け手が想いを書き入れる余白の多い劇で、私は好きでした。役者の皆さんもとてもよかった。25日月曜日まで、伊丹アイ・ホールでやっています。

2012年6月21日 (木)

雨糸でぐるぐる巻きにする手足

今日も今日とて、長靴トレーニング。実家へ往復40分。
長靴の柄が何かに似ていると思っていたら、ジンベエ鮫!帰りの歩道橋前で気づいた。
ジンベエ鮫と思えば、上りスロープもスマートで無敵な足どりになった。

老いの家は、毎日何か事件が起こる。難儀なことも多いが、今日は笑えた。
冷凍室に、蚊取り線香の箱が入っておった。

2012年6月20日 (水)

サスペンスの長いタイトル花茗荷

雨上がりは、鳥も電車もまだ湿った声を出している。
おなじ湿った声でも、雨の近づいてくるときの声の方が好き。
出遭う前の震えのような、微かに不安げな、もわんとした響きがある。

ところで長靴って、あんなに重いものでしたっけ?
足に重りをつけて歩行するトレーニングのようでした。
歩道橋の上りスロープで、「きつか~!」と音を上げる。
・・・なぜ博多弁?

2012年6月19日 (火)

くるぶしは濡れて港へ行きたがる

大雨が近づいてきている。
雨の日に実家まで歩くと靴下までじゅくじゅくになるので、あわてて長靴を買いに行った。
濃いグレイに雨粒のようなベージュのドット、ふくらはぎまですっぽり包み軽くて履きやすいのがあった。しかも2,500円という安さ。
レジに持っていくと、2,500円というのは他の商品の値札がくっついてしまっていたので、靴底の4,000円が正しい値段だけれどいいですか?と聞かれる。いい大人が、じゃあ考え直すとは言いにくい。いただいてきた。
雨の日は、実家へ行くのがいつも億劫だった。食材は重いし、ぼとぼとになるし。新しい長靴のある今日は、“ルンルン”とまではいかないけど、“ル”くらいの弾みはある。子どもか!

2012年6月18日 (月)

瞬きもせずに葡萄が見ています

ジムの休憩スペースで、ファッション雑誌をパラパラ見ていたら、林真理子さんのエッセイがあった。
林さんはデコルテ(鎖骨)にはかなり自信をお持ちで、作家の渡辺●一氏からも「あなたは胸が美しい」と褒められたとか。さらに氏は、林さんの友人には「白目が透き通るように美しいね」と囁き、ハートを掴んだそうだ。ご友人は、美人だが三白眼気味らしい。
人から気づかれにくいチャームポイント、もしくはコンプレックスに感じているところを褒めるのが、プレイボーイの必殺技らしい。
そういえば・・・会社勤めをしていた頃、人事異動が発表された途端、「Mさんに気をつけて!」という忠告メールがたくさん届いた。新しい上司のMさんは、バツ1の恋多き男性だった。
異動してすぐ、職務分担や、スケジュールの打ち合わせをしていたときのこと。突然、「意思の強そうな手だね」と言われた。(はぁ?!)と声こそ出さなかったものの、思い切り顔に出てしまったらしい。おかげで、それ以降は終始わきまえた言動だった。しかし、意思の強そうな手って・・・他に褒めるとこなかったのか? 意思の強さを、私が喜ぶと思ったのか? 持て余してますって。2流のプレイボーイだったのね・・・。

2012年6月17日 (日)

電力も嘘も足りない栗の花

『「情熱」だけは教えることができない』、テニスの伊達公子さんのことば。
私は時実新子先生の教室で川柳をはじめた。私が入る4年ほど前に開講された、月1回の初心者むけのクラスだった。先生は最初のころ、「やる気のない人はやめてください」と毎回おっしゃったそうだ。定員いっぱいの30名でスタートし、残ったのは10名ほどだったとか。
つい先日もあるところで、「俳句じゃ敷居が高いけど、川柳だったら気軽にできるから・・・」と言われた。敷居の低さは川柳の利点としても、ただ遊び半分じゃ川柳のほんとうのおもしろさとは出会えない。
「誰も質問はないんですか?毎回、質問を持ってきてくださいと言ったでしょう」。これも毎回のようにおっしゃった。「情熱」を教えることはできないけれど、「情熱」は伝わる。

2012年6月16日 (土)

港だったハイライトの青だった

蕎麦屋でもお好み焼きやでも、おいしい店は調理する人の動きがうつくしい。同様に、茶碗をひねったり、鉋をかけたり・・・一流の職人の動作もそれ自体が芸術のよう。
先日、ベテランの選者さんたちと選者室でごいっしょさせていただいた。それぞれに、選の“型”を持っておられて、うつくしくて見とれてしまった。
神戸新聞の選も10回目になった。ようやく私の“型”もできつつある。机をきれいにかたづけて、手を洗って一礼してはじめます。

雨に降り込められて、港につながれている舟のよう。港を出る前に沈まないように、重いものをなんとかしている。

2012年6月14日 (木)

母さんも藁の匂いになりました

夜の森は、老いた詩人の匂い。
夜の色で、びっしりと詩はしたためられ、
小川がうたうように読んでいました。
私には、一節もわかりません。
けれど、どこかで聞いたことがあるような気がして
奥へ奥へと入ってゆきました。

2012年6月13日 (水)

切り株に座るあたためあっている

昨日は雨で、螢ツアーが中止。
今日は、京都の句会のあと、娘と糺の森へ螢を見に行った。行く時間が遅かったのか?たった1匹!1匹だけなのがまた神秘的で、夜の森で澄んだたましいとで出逢った気がした。
娘の友人Kちゃんが失恋して泣きくれているとのことで、縁結びの神さまに二人してKちゃんのことを頼んで帰宅。

2012年6月12日 (火)

百円を入れる 百円分揺れる

某柳人さん、お酒を飲んだ帰りにトイレに行きたくなってパチンコ屋へ。トイレだけと思われたくないために、機械に千円投入。高い使用料だったとか。
まだ若かりし頃のこと、大阪の長~い商店街でトイレに行きたくなった。トイレを借りられそうな建物はないかと、ふらふらしてみたが見当たらない。状況は切迫してくる・・・。どこかでお借りするしかない。
やさしそうな店主はいないか?他にお客のいない店はないか・・・。全身に鳥肌を立てて、ぎりぎりの決断で駆け込んだのが仏壇屋。
古風な面立ちの女店員さんは、一目ですべてを悟り、慌てず騒がず仏壇の奥の暗がりへと導いてくれた。それは静かに線香の香りに包まれ、先の世への道行きのようであった。

2012年6月11日 (月)

朝の来たことをよかったことにする

澄んだみずいろの空に、マシュマロみたいな雲が三つ。すっかり気の済んだような空。

ピラミッドの形には、ピラミッドパワーと呼ばれる力があり、精神を集中させたり、ストレス解消、リラックスなどの効果があると言われているのだとか。
句会場で、ピラミッド形の袋に入った甘納豆をいただいた。パワーにあやかろうとパソコンの横に置いてみたが、あんこが食べたくなるばかりである。

2012年6月 8日 (金)

濡れているこんなに雨を傾けて

6月の緑の匂いをふくんで、雨がやってくる。
制服の人も、Tシャツの人も急ぎ足になる。
かなしい背中だけが、ゆっくり角を曲がって行った。

明日は田植えです。

2012年6月 7日 (木)

葉桜へもう思い出すだけのこと

母の従姉妹が急逝したとの報せが入った。
この2月だったか急に訪ねてきたとき、私は襖越しにその声を聞いた。早口のがさがさした物言いで、押し付けるように頼みごとをしていた。切羽詰まっていたのだ。
何とか苦境を乗り越えたところだったのに・・・。それにしても、あっけないなぁ・・・。
そんなことがあってだろう。万一に備えてと、突然に父から大事な書類や通帳、印鑑・・・その他の保管場所を知らされた。「あいつらは頼りないから・・・」。あいつらとは、妻、長男(夫)、次男。なんと・・・。

2012年6月 6日 (水)

散歩会@光縁寺、新撰組壬生屯所旧跡 八木家、壬生寺

光縁寺、八木家で、流暢なガイドさんの話に聞き入ってしまい、まるで京都観光。近藤勇の銅像を見ても「トミーズの雅そっくり~!」・・・って、修学旅行生と変わらんがな。
句はもう・・・長く振るわない・・・関越トンネルに入ったような状態。引き返して出るのはつまらないから、抜け出すまで前に進むもう。

  言い切っておしまいなさい刀疵

  まず足をくずして百人斬る話

2012年6月 5日 (火)

青梅一粒 わたしとあなたの

事実は小説より奇なり。
友人から聞いた話。友人の友人宅では、ご両親の金婚式のお祝いの会が開かれた。お祝いの品が贈られ、子や孫に囲まれて会食・・・と、それはそれは和やかな時間を過ごしてお開きとあいなった。最後に、お母さんからひと言あります・・・と。ほんとうにひと言「今日で離婚します!」。
ドラマのようなことがあるんだね~・・・で思い出した話。
私の友人は英会話教室の先生で、小さな子どもを持つお母さんのクラスを担当していた。
毎回レッスンのはじめに、この1週間で印象に残ったことを一人ずつ簡単にスピーチする。ある日の、A子さんのスピーチ。社宅住まいのA子さんは、いつもどおり「いってらっしゃ~い!」と子どもといっしょに夫を見送り、それから社宅の友人たちに手伝ってもらって、夫のものだけを残して荷物を運び出して実家に帰りましたという報告だった。
あまりの仰天の内容に、英語じゃまどろっこし過ぎるから「もう日本語で!」と、日本語で語ってもらったそうだ。
すぐそばにいても、相手の心の中になにが芽生え、どう育っているのかわからないものだ・・・。

2012年6月 4日 (月)

あなたになくてバナナにはあるとっかかり

この春、信州のやっこさんから「ジャム用のりんご」と、おばあさんみたいなりんごをたくさんもらった。やっこさんとは、川柳のミニコミ「くねる」を出したときに、購読希望のメールをもらったのがご縁。住所が信州だったので、私は毎年のように奥志賀へ行きますと返信したら、奥志賀の入口だからぜひ寄ってくださいと言っていただき、去年、今年とほんとうに二度訪ねた。これは、人見知りの私にしてはとても珍しい行動だ。きっと短いメールの文章の、“波長”みたいなものが合ったのだ・・・。
そうそう、そのりんごを頂いてから、毎朝、りんごとバナナとヨーグルトと牛乳のジュースを飲んでいる。この歳になって再発見したのだが、ナイフもなにもいらなくて、洗う必要もなくて、さっと食べられるバナナって、ほんと素晴らしい!

2012年6月 3日 (日)

母さんはもう昼を使いきれない

ここ2・3日微熱で力が入らず、ごろごろと寝そべっては本を読みながら寝落ち・・・という優雅な日々を過ごしていた。「苦髪楽爪」とはまさに、爪の伸びること、伸びること。
今日は約束していた句会もキャンセル。テレビをのぞいたら、100歳で亡くなられた映画監督の新藤兼人氏のインタビュー番組があった。“気高い”ということばを久しぶりに思い出す、表現者としてみごとな生涯。
・終わってからさみしくなる仕事はつまらない。映画として、自分自身として失敗。・生き残ったことは、整理がつかない。そのことを操作する力がないと映画は作れない。・すべては、一歩、一歩。・・・映画を川柳に置き換えながら聴く。
だらだらしながらも一日はあっという間。通院のない日の母は、2時間ばかり余り気味なのだが・・・。時間だけは、人から借りることもいただくこともできない。
また、明日からしっかりやろう。すべては、一句、一句・・・。

2012年6月 2日 (土)

屋上の森

大阪のビルの上のちいさな森。土の深さは60センチしかなくて、木は今より大きくなると倒れるのだとか。ほんとうの森も草原も知らない鳥や虫や花々は、やや人馴れしながら身を寄せ合って暮らしていた。

  絶叫にほぼ申し分ない高さ

  陽だまりのやさしすぎない木のベンチ

  
木は蝶を吐いて歌っているのです

  
這ってでも蔓薔薇は真ん中で咲く

  
十薬の角に脳外科病棟

  
笑うにも筋肉がいるラベンダー

  
不眠症の森へ空が近すぎる

         (川柳 洋子の部屋 「ゲストの椅子」)

2012年6月 1日 (金)

おやすみ前の月1錠と星2錠

5月は緊張の時間が多かったせいか、やっとゆるんだところで微熱。日中はごろごろする。
夕方、実家へ。橋の欄干に、ずら~っとカラス!総勢20羽くらい?何ごと?あんなのは初めて。
舎弟たちの出迎えを受ける姐さんの気分になり、「出迎え、ご苦労さん」と声をかける。

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