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2012年9月

2012年9月30日 (日)

砂吐ききるまで雨を眺めてる

夜の厨の貝のように、
吐き出しておしまいと、
私とおなじしょっぱさの雨。

あなたの食べた貝のように、
うたうように吐きなと、
刃のようにこ
こにいる風。

2012年9月29日 (土)

くちびるを頬に捨印押すように

明日、神戸で予定されていた「合同川柳句会」は、台風のため中止だそうです。
句会の準備をされていた皆さま、句を準備されていた皆さま、懇親会をたのしみにしていた皆さま・・・残念ですが、またの機会を待ちましょう。

夕べは、女子会。ぞうすい屋さんにはじまり、BAR、さらに神戸で一番古いBARへ。「ペルノ」というアブサンもどきのハーブ酒をいただく。水を加えると、微かに緑をふくんだミルク色に変わるのが大人かわいい。茴香のような香りが、クセになりそう。72歳のマスターが、「口づけの前に飲むと、いいんですよ」なんて言う。・・・もちろん試すこともなく、まん前の大きな交差点を、クラクション鳴らされまくりながら「ギャ~」と突っ切り、M子ちゃんはなぜか日傘を差してくるくるし・・・ただの酔っ払いでありました。・・・だんだんと完司先生のブログに近づいているこの頃・・・。

2012年9月28日 (金)

あいしたかさいごの骨の熱さほど

夕べは、亡き人を偲ぶ会。
その前に、まだあたらしいF子ちゃんの家を知らないお姉さんを、F子ちゃん家に案内する。
おばあちゃんがひとり暮らしされていたという家は、やや小さめの昭和サイズで、昭和の明るさ暗さがとっても落ち着く。トイレやお勝手の小窓のガラスがレトロな花や葉っぱの柄だったり、古い柱が割れたり傷つきながらしっかりとある。裏庭の木や草もふくめ、時間をかけないとできないものを味わえる。

亡き人の分もビールにはじまり、途中焼酎もちゃんとその席に置いてあれこれ話す。私の隣りに座っていたよね、きっと。
帰りに欅と欅の間からのぞいた月は、来月予定日のKちゃんのお腹みたいにしあわせにふくらんでいた。死があって生があって・・・みんな空を仰ぐ。

2012年9月27日 (木)

十年が経ったふたつのダンボール

夕べ月にRちゃんがよく眠れますように・・・とお願いして、朝起きたら8時40分!私がよく眠ってどうする!変な夢見てたなぁ・・・。ランチの店を探しているのに、目当ての店の日替わり終了とか、臨時休業とかで、なかなか食べたいものにありつけない。朝方でお腹が空いていたのかも。夢でうろうろしてないで、早く起きろよまったく。

そして午前中、F子さんのお引越しを少しだけ手伝う。
新しい住まいは、なんと徒歩80歩先。路地奥の、すずめのお宿のような玄関のレトロなお家。こんなところに、こんな素敵な隠れ家みたいなお家をよく見つけたね~と、みんなでわいわい運ぶ。
私は力は強いが、頭が弱い。大きなものを運び出すときに、すぐにどこかがつっかえてムリ~となる。手すりの上に持ち上げてとか、縦にして・・・と、瞬時に空間を三次元でとらえて計算できる人に驚嘆する。引越しやさんのバイトはできないと悟る。

2012年9月26日 (水)

つなぎあわせるいもうとの割った月

本日、稲刈り終了。今年は、現場に出動しなくて済んだ。
残念なことに、今年は不作だったらしい。この夏はあんなに暑かったのに、暑ければ実るというものでもないのね・・・。

今夜も月がやさしいです。半月よりすこしふくらんだ、オムレットみたいな月。
最近また眠れないんだ・・・と言ってたRちゃんが、よく眠れますように・・・。

2012年9月24日 (月)

かなしみは箱水平に運ばれる

これまでも、自分にとって大きな存在の人との別れはいくつか経験してきた。
その時々、自分自身が幼かったり、子どもが小さかったり、仕事が忙しかったり・・・かなしみとじっくり向き合う余裕のなかったことは、ありがたいことだったかもしれないと思う。
そういう意味で、この度の喪失感は堪えた。どうしようもなく、本棚の句集を片っ端から読んだ。
そんななかで、空洞を沁み入るように満たし、温めてくれたのは、天谷由紀子さんの句集「白いみしん」だった。
川柳にもいろいろな力があると思うけれど、こんなときに寄り添ってくれる句・・・その力をもうすこし考えてみたい。

   揺れながら泣きながら樹になった

   秋草やどこにおいても淋しい手

   しゃがんでみれば哀しい人ばかり

   沼は激しく静けさを保つ

   ひなげしが折れないように受話器おく

   白と白ともぶつかりあっている

   漏電が始まるみんなわがままで

   無人駅がいくつもあってやさしくなれた

   煙になるときも力はいるだろう

   かなしみの果てにいるおきあがりこぼし

             (句集「白いみしん」天谷由紀子)

2012年9月23日 (日)

秋夜長カレーを寝かしつけている

女優のIちゃんは、相変わらずお肌がきれいだった。
彼女の美肌の秘訣は、たったこれ一本の「いちじく浣腸」らしい。
曰く、浣腸の成分はグリセリン。グリセリンはどんな化粧水にも入っているからよいのだとか・・・。ほんとか?化粧ポーチから、ピンクのいちじくちゃんを取り出して見せてくれたが・・・。
Iちゃんきれいだし、試してみようかな?とも思いつつ・・・「ほんまに信じとったん?」なんて言われそうな気もするし・・・う~~ん。

2012年9月22日 (土)

空だけを沈め つゆ草のみづうみ

締め切り、締め切り、締め切り・・・と続いて、脳内が痩せてきたので(本体はそのまま)、回復すべくお山へ登る。
野の花がやさしい・・・つゆ草の青は、高い山の上に人知れずある湖のよう。ミズヒキ、ハゼラン・・・自然のままに咲いている花々は、たおやかで自由。
すっかりいい気分だったのに、くしゃみが止まらない・・・。アレルギー!これだから都会っ子は・・・。

2012年9月20日 (木)

くちびるを離して銀の笛が泣く

江戸時代に酒造業で栄え、俳諧文化も栄えたわが町伊丹。そのむかし、春のお花見のように、秋には「虫聞き」という虫の音をたのしむイベントがあったそうで、その復刻版ともいえる「鳴く虫と郷町」とというイベントが数年前からひらかれています。
今夜は、「鳴く虫とライブ」ということで、三軒寺ひろばに虫の声とアイリッシュ音楽のセッション(?)を聞きに行ってきました。
音楽がはじまると虫は黙るのでは?と思っていたら、なんのなんの、虫も負けじとリリリ・・・コロコロ・・・と声を張り上げての熱唱。とおい山の草原にいるような、ひとときでした。

近ごろの私は、まるであの手をかざすと水の出るセンサー式蛇口。音楽のようにダイレクトに身に響くものの、どうも「なつかしさ」とか「さみしさ」(?)に過敏に反応して、ジャーと涙が出てしまう。今夜はアイルランド民謡の「サリーガーデン」にやられてしまった。
ことばで伝え切れないものを思うとき、いつも音楽っていいなぁ・・・と思う。

2012年9月19日 (水)

首筋をかすめて届く矢車草

宅配便が届いた。
あわてて印鑑をとりに行って、机の角で思い切り太ももを打つ。その拍子に落とした印鑑を拾いあげようとして、今度は机で頭を打った。今にもこぼれ落ちそうな涙目でドアをひらく。
配達員さんが、驚いたような、見てはいけないものを見たような顔をした。笑顔で「ごくろうさま」と言ったら、困ったような顔になった。私と同じ、顔に出てしまう人らしい。

2012年9月18日 (火)

ピーマンと呼べばたのしくなってくる

一昨日の夜は、11年前に亡くなった友人の親友の命日。縁のあった人が集まって、呑んで食べて話す。亡くなる3日前、「勝負しやなあかん」「今日はもう遅いから、明日にしい」それが最後の会話だったとか。男前な彼女らしいなぁ。・・・亡き人を偲ぶって、いい時間だなあと思う。

あとは、日ごろの鬱憤晴らし大会。「すべらない話」でチャンピオンになれるんちゃうか?と思うくらい、どの話もおもしろすぎ!
瑣末なことを指摘する夫のことを、「こんな狭い狭い思い込みでやいやい言うて、ほんまに網戸のレールか!」「ごめん、ごめんて、『ごめんですんだら、警察いらんわ』の地下鉄のポスター、あれほしいわ。貼っとく!」・・・てな調子。
笑いぱなしのたのしいお酒は、まったく残りませんでした。

2012年9月17日 (月)

親指で押せば泉の湧く昭和

選句中に分からない漢字やことばが出てきたら、もちろん調べる。
今日は、「船頭小唄」というのが出てきた。YouTubeで検索。野口雨情作詞、中山晋平作曲、とっても若い森繁久弥さんが、ゆっくりと語るように歌う。

己は河原の 枯れすすき
同じお前も 枯れすすき
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすすき

死ぬも生きるも ねえお前
水の流れに 何かわろ
己もお前も 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ

枯れた真菰に 照らしてる
潮来出島の お月さま
わたしゃこれから 利根川の
船の船頭で 暮らすのよ

なぜに冷たい 吹く風が
枯れたすすきの 二人ゆえ
熱い涙の 出た時は
汲んでお呉れよ お月さま

あまりに情感があふれていて、佳い句に思えてくる。入選のグループに入れかけて、あわててもう一度見直すグループに入れなおす。

2012年9月16日 (日)

すれすれの昏さへ墨を擦っている

「川柳カード」発刊記念大会へ。
俳人 池田澄子さんと樋口由紀子さんの対談では、池田さんの句の作り方のお話が興味深かった。
・何かに感動して作るのではなく、ことばから作っていき、出来上がってから「これを書きたかったんだ」と感動する。
・化粧落としクリームを頬に塗って指先で伸ばしているうちに、べたべたしていたものがつるっとなる・・・そんな風にことばも力の抜ける瞬間がある。
・・・なんとなく分かる。とにかく、一句、一句を丁寧に丁寧に詠み込まれているのだ。

子どもが小さい頃、出産や子育てもいろいろなやり方があることを知って、自分と子どもに合うやり方を見つけるのは大事だと思った。川柳を生み、育てるのもいっしょのように思う。だから、お話を聴く機会はとても大事に思う


懇親宴も終わって、会場を出たら雨。走り寄ってきたろっぱさんが、無言で傘をくださる。なんて男前!ビニール傘でハートを射られた。

2012年9月15日 (土)

忘れてしまえる 骨ないぬいぐるみ

夕べから福山のRちゃんが泊りにきている。
愛のかたちの、いろいろについて語らう。
しかし、「むきだしの愛」は痛い。

2012年9月14日 (金)

私だけを待っていたかのような闇

昏い句が多いな・・・。

2012年9月13日 (木)

かあさんの胸に葛の葉生い茂る

アボガドを、ときどき食べたくなる。
スライスしたのをわさび醤油でいただくと、ビールによく合う。アボガドがわさび醤油に合うと発見してくれた人に、毎度お礼を言いたくなる。アボガドは果物だもの。

「ことばの川柳」のひとつで、「ことば」のあたしい意味ということが言われるが、ことば単体で、新しい意味を持たせることは不可能だ。
「アボガド」にわさびと醤油をつけて、果物のカテゴリーを飛び越えさせたように、組み合わせることばが大事なのだ・・・。と、そんなことを晩酌しながら思った
。(今ごろ気づいたんかい!)

2012年9月12日 (水)

恍惚の七度八分のマンドリン

指に恋したマンドリン。
弾かれるたびに、熱っぽくなり、
うっとりと、つややかな音を奏でる。

マンドリンの微熱を聴いている。

2012年9月10日 (月)

通奏低音あの日の蝉時雨

昨夜は、友人の太鼓の発表会。
忙しい仕事の合い間に稽古に通って、中級クラスにまで進んだことは聞いていたけど、立派な太鼓打ちになっていて驚き。超カッコよかった!
終演後の彼女を囲み、しばらくぶりの友人たちと乾杯!よく笑った~。

今夜は、「senryu So」2号完成の打ち上げ。
吟行場所となった高田屋さんで乾杯。よく飲んだ~。
今号のゲストは川柳界きっての若手男性作家、湊圭史さん。おたのしみに~!
  
  口笛の先に大きなものがある  湊圭史 

  見られているから空には帰れない  凛

  岸に着くころ船は私になっている  街子

  無伴奏わかりましたと言ってから  桐子

2012年9月 9日 (日)

シナモンの粒の混ざっている九月

同窓会を欠席して、神戸文学館「俳句ニューウェーブ〈攝津幸彦〉を読む」へ。
もっと、摂津幸彦の表現方法や作品世界に迫るのかと思ったら、ニューウェーブや摂津作品が分かる、分からないといった話が多くて、私の聴きたかった話とは違った。
配布された資料の方は、4人のパネリストが摂津の代表的な7句を評するなど、作品に踏み込まれていておもしろい。参加してよかった。(以下、取り上げられた7句)

  ひとみ元消火器なりし冬青空

  抛らばすぐに器となる猫大切に

  ほとけおどけよる十一月のホットケエキ

  幾千代も散るは美し明日は三越

  きりぎりす不在ののちもうつむきぬ

  露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな

  比類なく優しく生きて春の地震(ない)

私の好きな句

  露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな

  階段を濡らして昼が来ていたり

  淋しさを許せばからだに当たる鯛

終了後、友人が絶賛していた、駅反対側の水道筋商店街へ。元気な商店街で何でも安い。路地横に、古びた屋台のような店を見つける。のれんの下からのぞく下半身がどう見ても家族連れ。吸い寄せられてしまう。
串カツやさんだった。家族は、麦茶でごはんと串カツを食べていた。「芋10本揚げといて~」と、夕飯のおかずを買いに来る人もいる。
神戸の串カツは、衣が薄くておいしい!串5本と生ビールで880円!水道筋「一燈園」です。

2012年9月 8日 (土)

耳はまだこわい方へと向いたまま

耳はいちばんこわがり。

昨日、「現代川柳ゆうゆう夢工房」の句を、何度か書き直した。最後に、句につけるコメントを変えようと思ったら、なぜかネットに繋がらない。で、そのままアップされてしまった。
こんなこともあるのだ・・・だから、宿題は早めにしないといけない。

2012年9月 6日 (木)

散歩会@大山崎山荘美術館

長い坂を上ると、水の時間のながれる山荘に辿りつく。
モネの青に溶けるようにしばし沈む。ルノアールの裸婦は、もぎたての果実のよう。
ふるいオルゴールは、微かな痛みをふくんだやさしい音色。ぷつんと儚くうたい終わる。

  やわらかなものに触れたい匙のひかり

  さみしさに慣れるさみしさオルゴール

  てのひらに今カーテンの生んだ風

  やわらかな指さき顔をうしなって

  呼びかけて空はいきなり深くなる

2012年9月 5日 (水)

踏みしめることのうれしさ鴨の足

私を鳥にしてみたら・・・。

→   http://shindanmaker.com/193291

カモ。優柔不断で馬鹿正直。誰かに優しくされるとすぐに心を開いてしまう癖がある。騙されやすい。カラスの人が大の苦手。山翡翠、チドリの人とは相性がいい。

カワセミ
さ~ん、チドリさ~ん!

2012年9月 4日 (火)

かなかなかな蝉は賛成しかしない

お役所関係の会議に出席。毎度、型どおりにしゃんしゃん終わる会議である。
来年度予算案ついて、思い切って発言した。「そ、それは事務局案に反対ということですか?」想定外の成り行きに、明らかに動揺する議長。「そうなりますね。反対です」「反対意見が出ましたので、ちょっと事務局と協議させていただきます」
戻ってきた議長、「時間も押していますので、採決に入らせていただきます」。えぇ~っ!と驚いている間に採決。「議決権21票。賛成11、反対10で議案は可決されました」。議長1票だから、真っ二つに割れているのに・・・。
閉会のあいさつで「・・・皆さまに慎重にご審議いただき・・・」って、審議してへんがな!と椅子から落ちそうになった。
定刻に会議は終わり、お弁当が出てきた。「すみません。このお弁当がいらないんです。経費削減してください」と申し上げる。他にも見直しできることはいっぱいあるはず。単年度黒字できるはずなんだから・・・。任期満了したら、カネタタキはお役放免になるだろう。

2012年9月 3日 (月)

生まれる前の波を聴いてるトタン屋根

季節はずれの海の家
すっかり錆びたトタン屋根
うつらうつらと聴いている
遠いとおい波の音

2012年9月 2日 (日)

はにわ

朝の窓をひらくと、風が両眼を吹きぬけた。
燃え落ちる百日紅は眼より飛び込み、ふところでジュッとちいさい音を立てる。
夏が逝ってしまう・・・。私はこんなにもからっぽで、すうすう見送るほかない。

昨日まで空と呼んでた遠い青

鏡まで螢追いつめ閉じ込める

かなしみを握る奪われないように

寝返りを打つたび夜がせり上がる

三日三晩哭いてすずしい埴輪の眸

半月と傷見せあって舐めあって

まん中を吹き抜けてゆく死後の風

            (川柳 洋子の部屋「ゲストの椅子」)

2012年9月 1日 (土)

九月来る瞼のおりてくるように

九月がはじまりました。
今月は、現代川柳ゆうゆう夢工房、日替わり川柳の土曜日を担当させていただきます。

→http://www.ssksaloon.net/ssk/yumekobo/

実家の桔梗が咲いていた。桔梗は背筋をピンと伸ばして凛としたイメージなのに、どれもこれもだらけておった。「しゃんとしろ!」と声をかけたら、「暑いしぃ~」とくねくね・・・。たしかにね。

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