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2013年11月

2013年11月30日 (土)

ありがとうを言う汽笛になりながら

2013年11月29日 (金)

カッターの刃先折る音するお辞儀

近ごろキレる老人をよく目撃する。

雨の日のギュウギュウ詰めのバス。
「次のバスをお待ち下さい」のアナウンスで閉じたドアを、「開けろ~!」「開けろ~!」と殴りつづけ無理やり乗り込んだおばあちゃん。
銀行の通用口のインターフォン越しに、「**を出せ~!」と怒鳴っていたおばあちゃんは、女性行員が出てくるや身体を押し込む。「お客様、こちらからは困ります」の静止を、「うるさい!どけ!」と振り切って進入した。

デパ地下のおにぎり売り場では、おにぎりを1個買ったおじいちゃん。ポリ袋入りの商品を渡されて「紙袋おくれ」と言った。確かに、店員さんはちょっと(え?)という態度だった。でも、紙袋は取りに行こうとしていた。そのとき、「この百貨店は何か!おにぎり1個では紙袋は渡すな言われてんのか!いつからそういう商売してんのや!フロアマネージャー呼べ!ここの責任者も呼べ!・・・」。大声で怒鳴り始めた。間もなく男性が二人やってきて、女性店員と並んで深々と頭を下げた。
音立てて折れた。真新しい刃が、のぞいていた。

世のおばあちゃん、おじいちゃんにカルシウムを・・・。

2013年11月28日 (木)

飛び石のリズムで仮の世を抜ける

人の読んでる本が気になる。
ジムのスタジオで、レッスンが始まるまでに本をひらく人が何人かいる。理系コチコチ(想像だけど)、すべての手足が反対になってしまうおじさんは「親鸞」。営業スマイルふりまきお兄さんは、「この人ならと部下がついてくる、話し方の極意」であった。
そのくせ、自分の読んでいる本に興味を持たれるのはイヤだ。
ある豆腐料理店でランチを待っていたら、お店の人から「何を読まれているのですか」と尋ねられた。こういうとき、咄嗟にウソなどつけない。田辺聖子だったからよかったものの、渡辺淳一だったりしたらどうしてくれよう(笑)
あるカフェのカウンターでは、いきなりマスターから「ちくまの本は高いでしょ。その厚さなら700円はするな」と言われた。カバーをしているのに、どうしてちくま文庫と分かったのか?
どちらの店にも二度と足を運んでいない。

先日、電車で私の前に座っていた40代の夫婦は、二人でカタログを覗いて何やらたのしげに選んでいた。ちらっと見たところ家具のようだった。数ページめくり、「これどう?」とまた相談をはじめる。・・・ん?・・・ん?ん?位牌?選んでいたのは位牌。それから前のページに戻ると、家具と思ったのは家具調仏壇(?)だった。「やっぱりこれか?」と指差したのは真っ赤な仏壇。いつ亡くなられた、どなたのものだろう?とあれこれ想像してしまった

2013年11月27日 (水)

友だちのしるしに軽く舐めておく

久しぶりに神戸元町通り商店街をぷらぷら。
海文堂は、ドラッグストアに変身していた。やっぱりさみしい・・・。
仕方がないので、ジュンク堂に寄ってしばらく本に浸る。

帰りの電車で、買ったばかりの寺田寅彦「柿の種」を読もうとしたら、向かいのおじいちゃんが自慢げにKindleを取り出した。やるなぁ~と見ていたら、おじいちゃんページをめくるたびに人差し指を舐める。ぎゃ~、ちょっとやだ~!

2013年11月25日 (月)

雑踏に遠い声ばかり聞こえる

母は佐賀県に妹夫婦と暮らしている。四年前に妹と大喧嘩をして飛び出して来て以来、会っていない。
一度私が博多に用があったときに連絡した。博多までは電車で30分ほどだが、「今、髪を染めてないから・・・」という理由で会いに来てくれなかった。個性的な人なのだ。
それから何度も遊びに来ると言いながら、腰が膝が・・・と実現しなかった。そろそろ会いに行かねばなぁ・・・と、お正月に家族旅行を兼ねて九州へという話しをしていたところだった。

母から電話。「
きりこ・・・」と消え入りそうな声にただ事じゃないと身構える。
9月の終わりから、血圧が不安定になり、1ヶ月ほど通院しながら床に伏していたという。症状が改善しないため、入院させて欲しいと頼んだところ、入れば最後生きては出られないという評判の病院を紹介されて入院。(そこだけは嫌だったが、そこしかないと言われ拒否するだけの気力がなかったらしい)
点滴も何もなく、ベッドで寝るだけ。ほとんど味のない食事。次第に眠れなくなり、死にたくて死にたくて仕方がなくなる。どうせ死ぬなら家の方がいいと思い、退院を申し出て帰宅するも、死に取り付かれてしまったという。
「なんべんも死にたい言うて、Mさん(妹)困らしてん」(余談だが、母は小さいときから私を呼び捨て、妹はMちゃん(Mさん)と呼ぶ)
主治医に心療内科を紹介され「不安神経症」と診断され、なぜかほっとしたのだとか。まだ食欲はないけれど、やっと光が見えたという母に、お正月には行くからゆっくり元気になっててねと、その日は電話を切った。

それから4日後のこと、「モシ、モ~シ」(後ろのモ~にアクセント)と、通常テンションの母から電話。これはこれで身構える。
「あのね、Iさん(近所に住む、母の詩吟の先生で姉のように慕っている方)が、炊き立てのご飯があるからちょっと食べて行ってって言うてくれて、ご飯よばれて、それから食欲が出てきてん。もう、ほんとにIさんは命の恩人やから、もちろん私は感謝の気持ちを伝えてるし、お礼もするけど、桐子からも手紙を書いて何か贈ってちょうだい。住所言うよ・・・」。出た!母の有無を言わせないお願い。伝えきれない感謝の気持ちをどう伝えるか、母なりに知恵を絞ったのだろう・・・気持ちは分かるけど・・・と逡巡していたら。
「手紙には、いい、私は離れていて母に何もしてやれませんが、Iさんが母にほんとうによくしてくださって・・・・・・・・・」。文面まで指示するか!

この通り起伏が激しいのだ、母は。母は自分で、精神的には丈夫だと思っていたのにまさか心を病むとは・・・と驚いていた。
私は腑に落ちる。母(80歳)は、自分が同年代と比較して、心身も見た目も若々しいということに誇りを持っている。老いさらばえる自分は到底受け入れられないのだろう。まったく、強化ガラスみたいな人だから。壊れるときも、周りを傷つけやすい。
さてと、手紙を書かなければいけない・・・。Iさんの重荷にならないように・・・。

2013年11月24日 (日)

ゆうやみをこの次だれに手渡そう

おひさしぶりです。からだもこころも忙しく、走り回っておりました。あまりにいろいろなことがありすぎて、大ネタから小ネタまでちょっとずつ握って、いや書いていきたいと思います。

さて、夕べのEテレ「寺山修司という宇宙」、寺山に影響を受けたという穂村弘(歌人)と園子温(映画監督)が寺山の謎に迫るという番組がおもしろかった。

印象に残ったことを少々。

まず、ほぼ同世代の穂村さん。短歌を書きながら、いかに想像力が大したことないかということを思う。みんな同じ給食を三角食べして育ってきて、想像力も、みんな似たところに行き着いてしまう。どうしたら日常を飛び越えられるのか?・・・それそれ!そこなんです!

彼の故郷を取材した園さん。寺山の作品によく使われる「かくれんぼ」「柱時計」。彼の作品は虚構と言われるけれど、それらのアイテムが幼少期の彼にとって、大きな意味を持つものであり原体験が貼り付いたものである。それでも、寺山が使ったときに記号めいて見えるのはどうしてだろう?とは、穂村さん。

親交のあった歌人(名前を失念)。虚構だとしても、彼はなりきって書いた。事実ではなくても、彼にとっての真実になるところ、もう一人の自分を作るところまでなりきった。

園さんの映画は、テーマはおもしろいのだけど、あそこまで血しぶきだの内臓だのを見せなきゃいけないか?と思っていたけれど、なるほど寺山のはみ出して、破裂させて描くの現代版なのだと納得。
穂村さんの肉声を聞いたのは初めてだったけど、あまりにも予想通りの話し方でおかしかった。ぜったい、タムラ君みたいな感じと思ってた。学年に1人くらいいた、ああいう男子。タムラ君、どうしてるんだろ?

2013年11月23日 (土)

母さがす生まれなかったおとうとと

George Winston - Longing love

http://www.youtube.com/watch?v=WAjl-9mKsJ0

2013年11月18日 (月)

伝えなさい一切ことば使わずに

昨日は、ねじまき句会@瀬戸。
句会が終ったら、ちょうど山のてっぺんから月が昇るところ。やや早送りな感じで、見る見る昇る。「最近、なんか速いんですよ~」と言ったら、れいこさんと鉄子さんに「ぜったい、ない!」「ぜったい、ない!」とダブル突っ込みされた。ほんと、近ごろの月はせっかちなんですって。
そして夕べの月は、焼けたガラスのような赤。瀬戸の登り窯から出てきた?くるくる回すとくにゃくにゃしそう・・・。ビールをいただいて帰るころには、冷えてしゃき~んと白くありました。

ずっと川柳をつづけていると、ものごとを川柳的に見るクセがついてきたなぁと思う。句にしたとき、自分でもヤな川柳臭が臭ってしまう。デオドラントしたい。臭いのモトから断ちたい・・・。

2013年11月16日 (土)

また夜のここんところが擦り切れる

Ann Burton - A lovely to spend an evening

http://www.youtube.com/watch?v=-iifX4riFBU

2013年11月15日 (金)

雨粒よりちいさいきっとならもらう

桜並木の紅葉も、南天の実の赤も、今年は黒ずんだ重い赤だなぁと思っていたら、冷え込みで鮮やかになった。秋の神さまが冷たい息を吹きかけて塗り替えたみたい。
夕暮れには、まぶたのような月。急に冷えると、ねむい、ねむい。

2013年11月14日 (木)

句集「松田俊彦」

昨年8月に急逝された、松田俊彦さんの遺句集が俊彦さんに学んだ有志の手で発刊されました。
句帳として愛用されていたツバメノートの装丁に、厳選100句が収められています。
以前、俊彦さんの句を「辛口吟醸酒」に例えたことがありますが、口当たりのよいやわらかな言葉が染みわたり、こころの固いところが解きほぐされるような酔い心地を誘います。


   きのういた象の姿を見ませんか 

   えんぴつを削ると村の製材所  

   そのかわり金魚一匹買ってきた

   船が出る白い手袋欲しくなる

   風が来てサイコロ振っている枯野

   海から先を考えていなかった

   てっぺんに柿がのこっている眠り

   にんげんの弱いところに咲くさくら

   倒れた自転車が雨をのせている

   きりんの死きりんを入れる箱がない


句集をご希望の方は、「えんの会」中野六助さん(TEL/FAX 075-752-8030)へお申し込みください。1部、1,000円(送料込み)
私も預かっていますので、句会でごいっしょできる方はご連絡いただきましたらお持ちします。送付ご希望の方は、senryuso@yahoo.co,jp まで。

2013年11月12日 (火)

トーキョーはほぼ矢印でできている

夕べは心斎橋の蕎麦屋さんで、今年最初の忘年会。早っ!
家を出る直前に、ネットでお店の地図を開いた。駅から5分。でも、嫌な予感がする。決して複雑ではないのだけれど、過去の経験値からして私にはムリそうなのだ。
駅を降りて、3番出口を出る。慎重に御堂筋と長堀通りを確かめ、地図の方向を定めて向かう。阪神高速をくぐるはずなのに高速が出てこない。
若い男性に「阪神高速はどっちですか?」聞く。「高速~?さぁ?」。もう一人若い男性に聞く。「僕、大阪の人じゃないんで」。駅まで一度戻って、中年の男性に聞く。「阪神高速?どこへ行きたいんですか?」と聞いてくれる。待ってましたと地図を見せる。「御堂筋がこうだから・・・こう向きですよ」と、教えてくれる。スーツのおっちゃんが、タキシード仮面に見える。
いつものことだが正反対だった。これだけ正反対に地図を読むというのも、一種の能力じゃないか?もともとこの星の生物じゃないのじゃないか?などと考える。
とにかく、苦労して辿りついた甲斐があった。翡翠銀杏、何たら豆腐、馬刺し、ほう葉味噌、鴨汁・・・私の好物を取り揃えてくれたかのようなお蕎麦のコース。感激。お店は「ぼっかけや」。とっても感じのいいお店でした。

2013年11月10日 (日)

そのまんまきれいなまんま折れた針

夕べは、管理組合歴代理事長懇親会。幹事が管理人さんという不思議。
会場は家からほど近いイタリアンレストラン。以前、娘と入ったことがある。レジに「客単価目標、美容院パーマ代」と書かれたメモが貼ってあり、目標をやや下回る単価だったため、お金を払いながらどこか申し訳ない気持ちにさせられた。客は私たちだけだった。
夕べも、私たちのグループのだけだった。生ビールを頼んだら、先にグラスだけが出てくる。ピッチャーかと思いきや、アサヒスーパードライのロング缶が出てきた。メニューを確かめたら、「瓶生ビール」。瓶でもナマでもないし。まぁ店からして、偽装ではなく訂正を忘れたのだろう。
しかも、腰を80度に曲げたおじいちゃまが片手に1本ずつ持って、缶で漕ぎ進むように運んできてくださる。追加で2本オーダーしたら「へぇ、へぇ2本ですな」の指が1本。志村けんのコントかと思う。途中から3代目理事長が、運ぶのを手伝っていた。
表の看板に「オセロゲームあります。お相手します」と、やる気満々な大きさで書かれていたが、お相手はこのおじいちゃまだろうか??伊丹の迷店に入れておく。
会では、家というものに対する思い入れの深さに圧倒された。何かの縁で同じ建物に暮らすことになった者同士、なかよくなるのはいいことだけれど、話題にのぼる住人さんもいたり・・・。そこらへんが難しいなぁ~。

今日は今日とて、理事長初仕事。年に一度の駐輪場の抽選に合わせての大移動と事務の引継ぎ。早速、管理会社に対するクレームを30分ばかり聞かされる。慣れないことの連続で疲れた。まったく川柳モードに戻れず、ロバート・ヤング1話で昼寝してしまう。

2013年11月 9日 (土)

これはもうあだち充の余白的

2013年11月 8日 (金)

一日のお釣りのように月が出る

おじいちゃんちからの帰り、月がきれいだと疲れがとれる。
夕べは、納戸色の空にみかん色の三日月。絵本の1ページのようだった。

  三日月はガーゼを掛けてから握る  本多洋子

「素手で触るなよ、切れるぞ」、大きな手が三日月を取ってくれた。
ガーゼをかぶせたけれど、先の尖ったところで小指の下を突いてしまう。
血玉がふくらむ。舐めながら、月の味ではないかしらとおもう。
右の手のなかに、やわらかなガーゼにつつんだ三日月の感触。
思い切り力を込めたらどうなるのだろう・・・?

・・・もう家に着いてしまった。
手のひらをひらくと、赤い筋がいっぽんついていた。

2013年11月 7日 (木)

固まりつつある指のかたちおもう

空とおなじ色の大粒の雨がバラバラ落ちてきたと思ったら、
ふいに陽がさして、また曇って・・・。

夕べ観た、フェリーニの「道」。
どんな状況におかれても、ささやかなたのしみを見出し、
出逢ってしまった人をあいそうとしたジェルソミーナ。
今日の空は、ジェルソミーナ。

2013年11月 5日 (火)

散歩会@住吉大社

今日は、点鐘散歩会主宰、墨作二郎さんの米寿のお祝いも兼ねての散歩会。
小春日和の住吉大社に32名大集合。およそ1,000句集まる。句会場は、それぞれの選の発表で時間切れ。会館のロビーで立ったまま呼名。散歩会の歴史に残る句会となった。こんな日に立ち会えたことは、ほんとうにうれしい。
作二郎さんには、川柳界にまだまだもっともっと吠えて欲しい。

  旗としてあかるくふるまってしまう

  カレーの匂いに襟首つかまれる

  どんぶりにうどんことばは逃げてゆく

  黙黙とひとりを試す石になる

  いもうとを泣かし水笛吹いている

  大楠の遠い腕に抱かれている

2013年11月 4日 (月)

黒烏龍茶うっすらと夜行き渡る

買い物に出かけたついでに、美味しいと聞いていた蕎麦やさんに寄る。
「そこ座っといて~、向かい合わせ」と、おばさんにぶっきらぼうに迎えられ少々面食らう。
娘が天ざるを食べかけると、おじさん登場。いきなり「ちょっと蕎麦もらうで」と、新しい蕎麦ちょこに取って、塩と山葵を少々のっけてかき混ぜて差し出す。塩と山葵が、蕎麦の味と香りを引き立ててて美味しい!!
天ぷらは、大きな海老が2本に、ごぼう、さつまいも、かぼちゃ、しいたけ、なす、青菜と、よその店倍以上のボリューム。さらに、「これなんやと思う?」と出てきたのは、あけびの皮の天ぷらだった。
私の、鴨なんばは、途中で「カラシ入れたろか」と。黄色いとうがらしをちぎって入れてくれた。汁がピリッと引き締まって、また違った美味しさ。
極めつけは、そばの実入りのお粥のようなそば湯。塩と梅干を入れていただく。いやもうこれは、美味しさの原点という味。
夫が、「この辛味大根は美味しいですね。かなり水分を絞ってありますね」と言うと、「いや、それはもうそんなんでなぁ、水分がないんや」と、真っ正直。どこかのせこい食材偽装なんかと大違い。夫婦とも、朴訥とフレンドリーで、慣れるとクセになりそうな魅力。
そば好きの方、川西市にお立ち寄りの際は、ぜひ足をお運びください。店の名は「小花庵」。駅から10分くらい?
ちなみに、うどんも手打ちで味には自信があるようでした。食後に「鍋焼き食べて帰り。今から作ろか」と無茶ぶり。
まったくイヤな感じではなく、むしろおもしろいご夫婦ですが、あまり構われたくない方は不向きかも。それから、そば湯もふくめ、量が多めなのでご注意を。
帰りは、猪名川の堤防のコスモスと蕎麦の花がきれいなので、そこを通って駐車場に行くようすすめられる。堤防を歩きながら、そばの味と夫婦のキャラについて語って笑って、たのしいランチでありました。

夜、いつものように娘を駅で見送る。今夜も振り向くことなく、すたすた行く。若いなぁとおもう。

2013年11月 3日 (日)

笑ってるのかしら 裂けてるのかしら

娘が帰ってきている。
冷蔵庫には、フルーツタルト。お風呂は、ド・ピンクで薔薇の香り。
今から園子温のめちゃくちゃ怖そうなDVDを観ます。
ちょっとした非日常。

2013年11月 2日 (土)

すやすやと仔猫からだを捨てている

夢工房の方はリンクできていないようなので、こちらからどうぞ。
猫の寝姿は好きです。


Keith Jarrett - I love you, Porgy

http://www.youtube.com/watch?v=4hVdjpm8FwY

2013年11月 1日 (金)

聞こえない私の声がうるさくて

夕べは、二人女子会。西北の酒房「えるえる」。このお店は、近くの県立芸術センターの芸術監督もされている指揮者の佐渡裕さんが贔屓にされているらしく、「佐渡ライス」というメニューもある。今回はいただかなかったけれど、高菜チャーハンみたいなものらしい。壁いっぱいの色紙はどうかと思うけれど、お料理はどれも美味しくて、エビスの生がすすむ、すすむ。

店を出たら、相方が近所に鳥の名前のカラオケがあったはず・・・と言い出す。あった!チェーン店ではなく、ビルのワンフロアーの巣箱のようなカラオケボックス。
受付には、年の頃なら還暦、色白のやわらかな物腰の女性。どう見ても加賀の温泉旅館の仲居さん。「ちょっとこちらにご記入くださいね~」とまるで宿帳。「お時間いかがしましょう?」と聞かれると、「朝食は・・・」と答えそうになる。
「それじゃ、お部屋ご案内しますね~」に、しずしずついて入室。「大浴場は?って聞きそうになった~」「トイレから帰ったら、お布団敷いてあるよ~」と、しばらく笑いが止まらない。
気分はすっかり加賀ナイト。やなせたかしさん追悼「あんぱんまんマーチ」から、ここで落とすときの勝負歌、中森明菜対決、見よう見まねで踊る恋するフォーチュンクッキー・・・と弾けるうちに加賀の夜は更ける。
帰りに気づいたが、カラオケ巣箱は閑古鳥が鳴いていた。ここがなくなるというときは、絶対に反対運動しようねと固く誓い合っておひらき。

だからその間は息を止めていた

亡母の家を片づけに来た。しばらく閉めきっていた家は、古書のような匂いがする。

どこから手をつければよいやら・・・。何とはなく、台所からとりかかることにする。

L字型に流しとガス台。真ん中に食卓。食卓の真上には、明かりとりに天窓がついている。

天窓を見あげると、大きな蜘蛛の巣。母のレース編みを思い出す。

母はよくレースを編んだ。糸をかけた指、かぎ針を操る指。うつくしい指先から、魔法のようにレースが生まれる。それを見るのが好きだった。

蜘蛛の巣があまりにきれいなので、メモ帳にスケッチする。ゆるいカーヴがうまく書けない。目を凝らすと、巣は呼吸するように揺れている。風もないのに・・・まさか私の息で?
 
糸という糸が、水を含んだように脈打っている。生きているの? ふいに糸が髪に絡みはじめる。外そうとした指に、指から腕へ、糸はどんどん絡みついてくる。
 どうしよう、どうしよう・・・。この感じ、憶えている。何だかなつかしいわ、母さん。母さんに、ここに座りなさいと言われたとき。はじまるとき・・・。そう、息を止めるんだった。息を止めていれば、そのうち済むから。
 
余計なことをして、時間をとってしまった。このあと、彼に会いに行かなきゃいけないのに。母さん、結婚するのよわたし。
 
台所用品や食器をダンボールに詰めて、今日はおしまい。暮れかかる天窓に、蜘蛛の巣はそのまま浮いている。真ん中に大きな黒っぽい塊があり、はみ出した白い手足が幽かに動いていた。

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