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2014年7月

2014年7月31日 (木)

なすの煮浸しここにしかない夜となり

夜の中に窓があって、その中に夜があって、その夜の中に鍋があって、その中にも夜。同じ夜を分け合って、夜は満ちてくる。

七月のさいごの夜は、遠い夜からの電話。夜がねむらせてくれないのだと、夜が語り続けるのだと言う。窓の外のずっと遠くに…ゴッホの「星月夜」が渦巻いている気がした。

2014年7月28日 (月)

灯台の8秒ごとにくる痛み

今月のねじまき句会、雑詠に出した句。

読みが、灯台から読む人と、痛みから読む人に分かれた。痛みの方が実感として、句の主題に感じられやすいのかもしれない。
痛みは、たいてい間隔を置いてやってくるけれど、そこから灯台までは遠い。引っ張ってくるのは容易ではない。
読みはもちろん自由だけれど、着想から作者の思考の道筋を追うことは、寄り添って会話するような親密さが生まれる。

2014年7月26日 (土)

通りすがりの人々

コンビニでメール便を発送するとき、いつもドキドキする。あの切手大のシールを、きれいに貼ってもらえるかどうか。手つきでだいたい分かる。あっ…と思った時は、たいていナナメ。ショック!
私は決して几帳面な性格ではないが、ああいうのが歪むのは堪え難いのだ。ええ、ええ、髪はよく跳ねていますけど。
今日の、まつ毛くるりんぱの店員さん、まれに見るテキトーさだった。どこでもいいのよ、貼りゃいいのよ、というノリで、ペッ、ペッと貼っていった。ナナメがどうとか言うレベルじゃない。真ん中だったり、宛名の名前にかぶったり!衝撃!
「今日、集荷終わってますけどいいですかぁ?」と聞かれ、「いいですかぁ?」と答えてしまった。…よくない、断じてよくない。

炎天下、スーパーへ。私の前をおじいさんが歩いていた。
と、向かいから自転車でやってきたムチムチのおばちゃんに、「あ〜〜、ヒ・ロ・シ〜!バッキュ〜ン!」と、指鉄砲で撃たれた。「ウワ〜〜〜」と、悶絶するおじいちゃん。(関西のお約束)。瞬間気温、42度。やめてくれ!

2014年7月25日 (金)

通りすがりのことば

ことばが気になる。目で耳で拾い集める。昨日はタクシーから「空車」。お尻から、空へ入る。私が乗り込むと消えてしまう、空。ことばの中にしかない、モノやコトがある。清楚な女子高生の手の甲からは、「死」。赤く小さくまるく彼女の記した、死。ことばを拒絶することばも、またある。町中で出逢う一語は、これまで見たことのない一面を見せてくれる。買い物のついで、散歩のついでに、ことばと出逢い直している。

「川柳 交差点」、会報誌、200字メッセージ。
いつも、さらっと読んでいたけれど、200字って難しい。
3つ書いて、迷って、いちばんカッコつけてるのを送ってしまった。

2014年7月24日 (木)

犬に目薬 指先から沈む

犬に目薬をさすのが、好きだ。じっと見上げて待つ姿が、何かに似ているとずっと思っていた。
洗面所の電球を取り替えたとき、やっと思い当たった。電球を取り替える、父を見上げていた私。あたらしく灯る瞬間を、待っていたとき…。あの瞬間も好きだったんだ。

2014年7月23日 (水)

ねじまき ♯1

夕べ、関西歌人集会とねじまき句会のことを長々と書いたら、最後の最後につまらないミスで消えてしまった。こういうとき近頃は、神さまが書くなと言われたのでは…と、少々弱気。

ねじまき本のことだけ、ちょっとお知らせ。
構想から、熟成させること2年(味噌か!)。ねじまき句会のアンソロジーが完成しました。近く、正誤表など(泣)整い次第、ご希望の方へお届けいたします。
詳しくは、「月刊*ねじまき」で → http://nezimakiku.exblog.jp

2014年7月21日 (月)

これがまた年々長くなるうどん

17日(木)
つづきの会の会場予約に「ウイングス京都」へ。この日の京都は、35度。しかも祇園祭の山鉾巡行の日。朝からすごい人出。会場予約は先着順なので、場所取りの人をかき分け一人反対方向へ。8時40分着で、無事、整理券番号1番ゲット。それから9時半の受付まで、椅子に腰掛けたらうとうとしてしまう。手続き後もあまりの人の多さに、即刻退散。電車に乗って、また十三まで爆睡。暑すぎて眠い(?)一日であった。

18日(金)

一日、選句。毎回、思うことだけれど、私の目にしか触れないかもしれない句…と思うと、没句の束はずしんとくる。入選にはいただけないけれど、書きたかった気持ちは分かる、よく分かりますよという句は多い。

夕方、おじいちゃんちに行ったら、風呂焚きの釜がなくなっていた。あの釜で、毎月没句の葉書を焚いて供養していたのに、これからどうすればいいのか…。
おじいちゃんは退院以来、遺言書作成にはじまり、終活に精力を注いでいる。家をあちこちさわるのも、「わしがしておいてやる」なのだろうけど、体裁に構わないので配管がむき出しだったり、配線が横断したり・・・もちろん、至る所に手すりがついて、そこら中ガチャガチャになってきている。
そして、父母ともに、新調した入れ歯の具合が悪いらしく、されど歯医者に行くのは面倒で、食事時もまたしっちゃかめっちゃか。食べながら、入れ歯がずり落ちてきたり、汁物に咽せてブシャーとやってくれる。(ふなっしーですか?)と突っ込みながら、しずかに頭を拭く。私は二人と向かい合わせ。老いと向き合っている。

あ〜、今日はここまで。

2014年7月16日 (水)

梟の舌あれば呼べるはず

三年ほど前だったか、U君がCMに出てると同窓会幹事からメールをもらった。家を出てゆく息子の軽トラ、呼び止めた父がワインを1本差し出す。受け取った息子が、自分の生まれた年のワインだと気づく…たしかそんなCMだった。U君は父親役。いい味をだしていた。

息子が軽トラで家を出た。「あ、待って」と呼び止め、お米をとってきた。らくだ色の米袋を、荷台にどすんと積んだ。現実は、たいていかっこ悪い。少しバックした軽トラが、「ありがとう」をのこして走り去った。

2014年7月15日 (火)

お皿がしずかに割れた。
もう30年くらい使ってきた。直径18㎝くらい、ぽてっと厚手で使い勝手がよかった。少し前、電子レンジにかけたら、みしっと変な音がしてヒビが入った。今朝、食器棚にしまって、もう一枚お皿を重ねたらコトンと割れた。さいごのさいごまで働いて、大往生って感じだった。

川柳フリーペーパー「So」を読んでくださった方から、
  おしまいにしんみり欠けた白い皿    妹尾凛
この句を自解していただけますれば、嬉しいです。と、お手紙をいただいた。
凛さんに尋ねたら、「白い皿は私です」とのこと。
これは私の勝手な読みですが…と、書き添えてお返事した。
誰かにとっての凛さんは、白いお皿だったのでしょう。何も飾らずに、素直に受け入れることのできる私でいられた。その人とのおしまいに、傷ついたのか、何かを失ったのか…。のこされた欠けが、それでも愛おしい。

2014年7月14日 (月)

どうとってくれてもいいよズッキーニ

ことばは伝わらない。
善意にとってもらえるか否かは、関係性が大きい。誤解や行き違いはことばそのものではなく、関係性に傷つくのだと思う。

ズッキーニに、はまっている。何も言っていないようで、ズッキーニにしか出せない味を出している。今夏の川柳の目標はズッキーニであります。

2014年7月13日 (日)

傷口を開いてお入りなさい

ねじまきの今月の題は、「煮」。

例によって、散歩会の互選用紙の裏に思いつくままに書きながら、イメージを広げて絞って…ようやく何句か作る。
用紙を捨てる前に、一句までの足跡をざっと辿る。
途中に、「煮たらしまいや」を見つける。えらいまた、投げやりな!煮詰まってるやん。

家族に変化があったりして、日常が慌ただしく過ぎる。現状に、気持ちが追いついていない。

2014年7月 9日 (水)

文字化け

メールを送ったら、「文字化けしています」と返信をいただいて、再送したら「またしてもみごとな文字化けです」と返信をいただきました。

原因はmacとwindowsの相性のようで、ウィルスではありませんのでご安心を…と、お伝えしたいのですが、未解決のためここでお伝えいたします。
娘の帰りを、ひたすら待っております。

今朝より、目病み女でありまして、江戸時代なら恋愛運急上昇なのだが。

    風鈴の音が眼帯にひびくのよ    三橋鷹女

なんとか今のうちに眼帯で一句と、もう今日はそればかり。

2014年7月 6日 (日)

出逢う

蝶にしては大きい。鳥にしては小さい。
まっ黒なハンカチを振るように、忙しなく飛んでいた。
2、3日前に、橋の上で出逢ったナゾの生物。
今日、ふいに思い当たった。コウモリだ!きっと。

   蝙蝠に生まれて上手に避け合えり    池田澄子

分かった…。実感というのは、こういうこと。

2014年7月 5日 (土)

川柳百物語−8話    紫陽花へ向く六月の頭蓋骨

 娘の借家の大家さんから、保証人である夫あてに家賃滞納の知らせが届いた。
 事情を聞こうと娘に電話するが、何度かけても出ない。メールにも返信がない。
 娘は昨春から、古いちいさな家を借りて恋人と暮らしはじめた。
 そう、はじめて家を訪ねたのは、ちょうど去年の今ごろ。やさしそうな彼と二匹の猫と、ままごとのように暮らしていた。
「見て〜。うちの紫陽花の青、よくない?雨に濡れたらもっといいんだよ…」。庭とも呼べないほどの物干スペースの隅に、淡い水色の紫陽花が3株並んでいた。
 秋には、仔猫が3匹も生まれて忙しいのだと、写真が送られてきた。連絡はめったになく、なかよくやっているものと安心していた。
 玄関で呼び鈴を押すが、応答がない。ドアに鍵はかかっていなかった。
 入ると、饐えた匂いが鼻をつく。部屋は、ゴミだらけ。リビングのソファに、娘は放心したように座っていた。
 彼は出て行って、居所も分からないという。
 そうだ、猫は?猫はどうしたの?と訊くと、猫もいなくなったと言う。
 紫陽花のように青白い娘の顔…、ふと紫陽花に目をやった。
 手前の1本だけが赤紫に咲いている。去年は、3本とも水色だった…はず。
 聞いたことがある。色の変わった紫陽花の根元には…根元には…根元には……。  何?  何を呑んだの?赤紫、あかむらさき、あか、む…。

2014年7月 4日 (金)

うつる

娘は職場で、「**の在庫みてください」に、「**あります!」と答えるとき、オボカタさんがよぎるそうだ。
私は、関西スーパーで「袋をご用意してよろしいですか?」に、「袋はあります」と答えるときよぎると言ったら、「桐ちゃんのそれは妙に似てるから、レジの人もよぎってる」と言われた。
映像の刷り込みは大したもんだ。何度も見聞きするうちに、からだが覚えちゃうんだ。
そしたら何だね、あの例の、ののちゃん県議、何度も見たら・・・、
「川柳ウアアア〜、誰ガデ、誰ガヨンデモ、オンナジオンナジヤオモデエ〜〜。命ガケデエエェエエェイ、中7ウオオオオ・・・ウッッ・・・ガエダイ・・・」。こんなことになるかな。

2014年7月 2日 (水)

散歩会@藤森神社

神社に着いてすぐ、あじさい園へ。

句を書いていたらヤブ蚊に襲撃され、出鼻をくじかれる。痒みのせいで、著しく集中力を欠いたまま、宝物殿へ。靴を脱いで上がったら、今度は足の甲が餌食になる。
夏場の散歩会は、腰に蚊取り線香をぶら下げて行こう。
ここの神社は、お馬さんと勝負の神様らしい。しかし、お守りのPOPに「うまくいく!」って、軽すぎやしないか。
今日は痒みに負けて、見たまんま、そのまんまを書いた句が多かった。(その方がいいって???)

    行きがかり上この人と輪をくぐる

    あじさいへ首を浮かべてきましたの

    湧き水をふくんで鳥の時間です

    鳥のいる空と鳥のいない木と

    パラパラ漫画にする激しく瞬いて

    ろうそくの溶ける速さで去ってゆく

    どうにもならぬじいさんのズボン丈

    磨かれてわたしの眉になる刀

    ろうそくのおわりろうそくみとどける
 

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