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2014年10月13日 (月)

嵐の昼に

嵐にも負けず、福山のRちゃんは神戸にやってきた。嵐の前の嵐…。
お昼に待ち合わせたら、「今から5時間はしゃべるから、帰れんで〜」と小躍りしていた。目当ての洋食屋さんは、台風で臨時休業。先日別の友人と行ったばかりのスペイン料理店へ。ワインを飲みながら、自動小銃のような近況報告に泣き笑った。

彼女は高校3年の担任で、春頃から同居するお父さんの痴呆もすすみ、介護と仕事の両立にメンタル面からドクターストップがかかる。担任を外して欲しいと校長に申し出た翌日、お父さんは心肺停止の状態になり、何度か山を越えて三日後に亡くなった。
彼女のお姉さんも、なかなか個性的な人とは聞いていたけれど、危篤の父のところに駆けつけるや、「父さん、元気?」と叫んだそうだ。「元気なわけないじゃろ!」と親族一同呆れたが、22しかなかった心拍数が60に上がり、ふたたび自発呼吸をはじめたという。
翌日は、「父さん、心配で逝けんのじゃな。うちの夫婦仲が心配なんじゃろ。ムリ、ムリ。父さんごめん、ムリじゃ」「父さん、K(お姉さんの一人息子)のことも心配なんじゃろ。あれもムリじゃけ」…と、荒療治(?)で父の心拍数を上げ続ける。
そして三日目、「父さん、もうええで。目の前に花畠が見えるじゃろ、そこ渡ってみい」と父を送り出したそうだ。
文字に起こすと誤解を招くかもしれないけれど、親子の情愛が胸に迫って、しあわせな臨終だと感じた。笑って泣いて、松竹新喜劇のようなひとときだった。

彼女は、父が答えをくれたと、担任を続けている。今のところ、E判定が9戦9勝…そろそろ黒星ついてくれないとこわいと笑いながら、嵐に向かって帰って行った。

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コメント

目がテンになり笑いながら涙が出ました。
台風で落ち着かないひとときを楽しませて頂き有難うございます。

篤子さん、おはようございます。
長く野球のアンパイアをされたお父さんは、
野球葬で見送られたそうです。
介護〜葬儀…まったく悔いのない訣れなどありませんが、
ご家族のやりきった感は、今朝の空のように清々しいものでした。

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