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2015年4月 8日 (水)

句集「青誕樹」 岡田俊介

  耳はたしかに 祈りを聞いて落ちてゆく

  一滴の水に溺れてゆく夜景

  夏の樹の下にあるのは夏の終り

  秋をつらぬく一本のくもの糸

  鹿眠る 人を弔う形して

  純愛の一断面に とぶかもめ

  一本の木の散り終わるまで兵士

  ペンを置くときにはいつも白孔雀

  萩散れば 紅は昔日までとどく

  横顔から船が出てゆくほどの新緑

どんなスポーツでも、トップアスリートの身体はうつくしい。鍛え抜くことで、作り上げられた芸術作品のようだ。川柳も、望むと望まないとにかかわらず、表現を磨きつづけることで美が宿る…そう感じた。本物のうつくしさを獲得するには、ただいちずに一句一句を重ねるしかないのだろう。
川柳において、「詩性」と「私性」、「詩性」と「ことば」は対立軸で語られることも多いが、相互に作用し合うもので、詩性を大切にしたいとあらためて思った。     (近代文藝社)

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