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2015年4月 3日 (金)

姫乃彩愛句集「未完」

  咲く花の確かさよりも不在の青

  すみれに生まれすみれをこぼし続けよと

  親指をやさしく包んでグーを出す

  哀しみはある日突然 五弁の椿

  長い廊下や一本のフリージア

  かごめかごめ春の産声抱き上げる

  てのひらをうえに少年は帰らない

  埠頭の先で揺れているのはまぶたかな

  さらさらと砂に時効があるように

  紫に生まれた日から手を胸に

赤、白、黄、黒、青、紫…一句から色が流れ出る。ふしぎなことにその色はすぅーと消えて、澄んだ白へと還ってゆく。一句になるまでに、作者のなかで感情が浄化されているからだろう。その過程を思ったとき、しばらく眼をひらくことができなかった。読者を包み込むような白は、作者の読者に対するやさしさでもある。
タイトル「未完」は、「寂しさよ傷つきやすきは未完の香り」の句もあるが、常に未完であろうとする川柳人としての姿勢の表明とも思う。なんて大きな未完だろう…。
句集の装幀と内容にかなりギャップがあって、読みすすめながら驚いた。こういう作り方もあるのだなぁ。     (新葉館出版)

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コメント

こんにちは。彩愛です。
私の、句集「未完」を取り上げてくださり有難うございます。
Mさんに、ここのブログを教えて頂き心嬉しく拝見しました。
作家は、所属や影響する人で作風も変わってきます。私も、これを機会に、少しづつアレンジしてゆきたいです。
褒めてくれて感謝ばかりです。
また、お会い出来る日を楽しみにしています。
桐子さんの作品好きです。これからも、こちらのブログも楽しみにしています。

彩愛さん、こんばんは。

彩愛さんとは、ゆっくりお話したこともなくて、
よく存じあげてなかったので、句を読みながら
気づいたら息が止まっていたり、足の指まで力が入っていたり。
でも、まったくしんどくはならないんですよね。
むしろ気遣われているような感覚をおぼえて
読み手に辛さを押し付けないところに感動しました。

私も、またどこかでお会いできる日をたのしみにしています。
川柳のことも、川柳以外のこともお話したいです。
ありがとうございました。

彩愛さん、申し訳ございません。
お名前の漢字を間違えていました。
大変失礼いたしました。おゆるしください。


桐子さん、いえいえ、気にしないでくださいね。昔は、姫野あやめという名前で活動していました。川柳みどりにいた頃です。桐子さんの鑑賞力、凄いです。
楽しみに拝見しています。本当に、お会いして、たくさんお話ししたいです。

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