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2015年6月18日 (木)

記憶

ABCテレビ「警視庁捜査一課9係」。夕べは德永政二さんの息子さんの脚本、「3つの捜査線」。3つの事件に共通する人間関係と物証から謎が解かれてゆく。事件の鍵を握る元ヘルパーは、ある老女に会いに行ったために逃げ切れなくなる。しかし、老女は彼を覚えていなかった。心の弱さでいつも人生を棒に振るという彼へ、加納係長の差し出したのは老女の折った折り紙…。彼といっしょに折ったうさぎだった。

ちょうど読み終えた、「長いお別れ」(中島京子 文芸春秋)と、人が人へのこすものということでつながっていた。
「長いお別れ」は、認知症を患った夫を介護する妻と、娘たちの話。作者の体験なのだろうか?リアルでシリアスな現実ながら、どこか笑いを誘うような語り口は愛情にあふれている。
脳の記憶や、言葉を失っても、肉体の記憶、あるいは、たましいの記憶とも言えるものは確かに残る…そう思わせてくれた、二つの作品だった。

ちなみに、認知症のことを、「長いお別れ(ロンググッバイ)」と呼ぶそうだ。少しずつ記憶を失くし、ゆっくりゆっくり遠ざかるから。

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コメント

桐子さん
ありがとうございます。

問題は最後ですね。最後の言葉がなければやはりもの足りないなと思います。
やさしくあり続けることはとても勇気のいることだと認識しました。

実はあの青年の名前は、息子の中学時代の親友の名前で、
息子を追うように東京に出て、はじめての自主制作の映画にほとんど一人で
登場し、それがドイツの国際映画祭でも評価されました。
今はどうされているかわかりませんが、
もしかするとその友人へのメッセージがあるのかもしれないなと
勝手に思ったりしています。

政二さん

「あなたは弱いんじゃない、やさしいんです。
弱いとしたら、やさしさを捨てようとしたこと…」
さいごのせりふ、よかったですね。
3つの事件の画面3分割も、新鮮でした。

登場人物の名前にも、もうひとつの物語があったりするのですね…。

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