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2015年10月

2015年10月31日 (土)

言葉は関係から

おじいちゃんに対する、看護師さんやヘルパーさんの小さな子ども相手のような言葉遣い。それにも根拠があったのだ。

日本語の2000年あまりの歴史の中で、女性が男性に命令したり指示したりする関係は、母親が子どもに指示する関係以外にはなかった。関係がなければ、言葉は生まれない。(「わかりあえないことから」 平田オリザ 講談現代新書)

2015年10月30日 (金)

どの円もどこかが欠けていて明かり

Image1先日、こ〜んなところでバーベキュー。
退職後、農業をされている先輩のお家。とれとれの黒豆の枝豆、野菜の数々、三田米、それに直売所で仕入れた三田牛。お酒も、剣菱の古酒「瑞祥」、「お福正宗」の大吟醸などなど…昼間からなんとぜいたくな、でありました。太陽の下だと、老病死の話題も明るく展開することを発見。

運転免許更新。視力検査がよく見えなくて、当てずっぽうがことごとく外れる。「今日はいいけど、眼鏡を作り直さないと危ないよ」と言われる。また、視力が落ちたのか…。
私はペーパーだからいいけど、誰かおじいちゃんの免許を取り上げてください。もう、こわくて、こわくて。

2015年10月25日 (日)

真上からのぞく魚のいる瞳

Image1_2 兵庫県立美術館、パウル・クレー展。

クレーは、印刷物と実物の印象のギャップの大きい作品が多かった。
実物は、微妙な色合いや質感から、作家の筆運びや、息づかいまで伝わってきてよかった。深く味わえた。
沈んだ色調の作品が多かったけれど、どこかに必ず僅かな明るい色が置かれていたのにも惹かれた。言葉にすると陳腐になってしまうけど、やっぱり生命力みたいなものを感じた。

美術館は、全館上げて節電に取り組んでいるらしく、トイレのハンドドライヤーも使用中止。エレベーターも1機のみ運行。「節電のため」と大きく書いてあった。ならば、建物の外周のネオンサイン(写真の窓の下赤く光ってるの)、まずあれを切ったらどうかな?ない方がいいと思う。

帰宅後、いつも通りおじいちゃんちへ行ったら、クレーの余韻を吹き飛ばす、おばあちゃんの荒れよう。久方ぶりの、渡る世間は鬼…状態。帰り道、ふと石坂浩二の声、「それはまだほんの序章だと、気づいていない桐子であった…」。今日買ったポストカード、「悲しみ」を見つめている。

2015年10月22日 (木)

川柳の作り方

調べものをしていたら、若い人の川柳を募集しているサイトを見つけた。
丁寧に、「川柳の作り方」まで用意されていたので、どれどれ…とひらく。

・自分が経験した事を思い浮かべ場面を設定します。
・何が、何をして、何となる、の形にします。
・言葉を選び、五・七・五のリズムにのせます。

残念すぎる…。特に真ん中は、一番してほしくない書き方なんだけど…。

2015年10月19日 (月)

海に撒かれたいビニール傘の骨

退職した友人とランチ。望んでいた自由を手に入れたよろこびも束の間、居場所をなくした不安、さみしさが日毎ふくらむのだと言う。

いや今朝ね、ゴミステーションに置かれていた掃除機やチェストも、だれかの所有を離れて、もはや掃除機でもチェストでもなくて、イミも失ったのかと思ったとこだったと言ったら、「私は棄てられた掃除機か!」と大笑い。違うよ、違うけど…重なるところもあるような…。

それから、棄てられた掃除機のその後に思いをめぐらせる。ほんとうの意味で自由になりたい掃除機は、「掃除機」だったことを忘れてしまいたいと思う。わすれたい、わすれたいと思いながら、ある日、「掃除機」なんてのは、ただの記号じゃないかと思い至る。そのときはじめて掃除機は、空に、土に溶け合うことができる…。つづく…。

2015年10月17日 (土)

明け方の鳥のまぶたを貼付ける

テーマは「風」。できれば、二人の会話調、短詩(七七)で、というオーダー。

会話なので、なにがしかの設定が必要。遠く離れた風の姉妹で書いてみたら、自分と重なりすぎてよくなかった。
南桂子さんの版画を見ていて、鳥と人とが互いの存在を感じあう瞬間・・・を思った。そうそう、そんなささやかなことに、どれほど支えられているだろう。
とある街の夕暮れ時。並木の欅に帰ってきた鳥と、通りがかりの女性。ほんの数分間の、それぞれのモノローグ…。
鳥は去年まで、線路沿いの両親と兄、妹の住む家に飼われていた。家族にひずみが生まれ、少しずつひろがり…。妹は誕生日の朝に、鳥を放す。女性は……と、それぞれのものがたりを作ってみたら、一羽と一人のことばが出てきた。淡いあわい風のことばが。

舞踏と演劇をゆるりと縒り合わせる、「スミレ座」の公演。12月23日、夢家(大阪)にて。

2015年10月16日 (金)

向き直る父ふくろうの影になり

先日の結婚式。新婦35歳、新郎51歳。幾多の壁を乗り越え…だったので、新郎新婦ご入場で涙腺決壊。ほんとに、よかったよ〜。

新婦はベリーダンサーで、お色直しはベリーの衣装で登場。超セクシーなソロダンスを披露。つづいてダンスのお仲間と、華やかなベリーダンスショー。おや?手拍子もパラパラとノリの悪いテーブル席は、新郎の友人…。どうやら、娘に近い新妻に心境は複雑な様子。「自分の娘やったら、どうする?」「なんぼええやつでもいややな…」。そんななか、ため息のようなつぶやきが…「嫁はん、死んでくれへんかな…」。あのね、仮に死んでくれても、若くて心やさしい後添えと出会うなんて、オータムジャンボ宝くじ1等より確率低いと思うよ。

2015年10月14日 (水)

水の家

 電波時計遅れはじめる桐の花

 降り出した声に声濡れている

 鎖樋引けばほどけてしまう家

 おとうとは水音 ほら水の音

 すこやかに天井のしみ育ちゆく

 悪気なんてないから入れ歯のピンク

 すきとおるまで葛はにくみなさい

 かろうじてわたし酢加減水加減

 さみしいのかわりセロファンとつぶやく

 朝と夜つなぐご不要のレシート

花森こまさん発行の逸36号に、ご招待いただきました。今号で、一旦おやすみされるとか。充電ですね、きっと。

2015年10月13日 (火)

時計回りにお帰りなさい

平田オリザ演劇展、「この生は受け入れがたし」。

寄生虫は、宿主(寄生する相手)のいのちは奪わない。自身が生きられなくなるから。かといって宿主に益ももたらさない。…寄生虫を通して考える、寄生、共生の関係性。東京と地方、夫と妻…。寄生してるのは、どっちなのか。共生は幻想なのか?
東北の大学の寄生虫研究室に、東京から転勤してきた夫。仕事を辞めてついてきた妻は、寄生虫も東北の村も好きになれない。寄生虫は惜しみなく奪う。愛も?…「そんなに愛せないよ」という夫の台詞が印象的だった。

2015年10月12日 (月)

じょうみゃくどうみゃく海を通ります

新思潮研修句会で、選外の気になった句にあげてくださった方があった。選に入るのはもちろんうれしいけれど、読み手のどこかにひっかかる句も同じくらいうれしい。

句は、紙に筆記用具(自宅は万年筆、外ではシャープペンシル)で書く。手書きしながら、漢字一字のなかに隠れている字を見つけたり、よく似た姿や音の字やことばを思い出すのもたのしみの一つ。
ねじまき句会で「脈」の題が出た。脈のつくことばを書き出しながら、じょうみゃく、どうみゃくとひらがなで書いた。あ、あ、あ、あー、どっちも途中に「うみ」がある!ひゃ〜、私たちって、海から来たんだしー。つながってんじゃん!と小躍りしてしまった。
しかし、ねじまき句会は、題の漢字を入れないといけないという唯一のルールがあって、このひらながなは譲れん、というわけで大事にとっておいた句なのでした。…コメントする時間がなかったので、ここに書かせていただきました。

2015年10月 7日 (水)

まだ濡れているから生まれたての虹

川柳のなかで、自分の立ち位置を思うことが続いた。結社、柳社に所属せず十年ちかくになる。その時々に、好きな方、好きな方へと流れてきた。気づいたら、川柳の中心から外れて、ちょっとはみ出してしまったようだ。
川柳について何かモノを言う時、この立ち位置をわきまえておかないといけないと思う。でも、鯛焼きのパリパリのとこも鯛焼きで、パリパリだから見えることもあるかも…。朝から鯛焼きのよき秋の日。

今夜は、結婚式。今は、結婚披露宴と二次会の間をとった1.5次会というのがあるらしくて初体験。ナナちゃん、きれいだろうな。たのしみ〜。

2015年10月 6日 (火)

散歩会@島津製作所 創業記念資料館

レントゲン装置や蓄電池をはじめ、理化学や医療、分析・計測…など多岐にわたる発明品の数々が展示されている。明治から昭和初期の機器や装置の、フォルムうつくしさに目を奪われる。

 どことなく酸っぱい秋の入口は

 みずうみになろうなろうと窓ガラス

 レントゲンに桔梗の尾骨大腿骨

 眠薬の溶けてしばらく幻灯機

 動かなくなって歯車うつくしい

 電気卵に兵士産ませよ

2015年10月 4日 (日)

おとうとはとうとう夜の大きさに

夕べは、ラグビーワールドカップ観戦。歯、食いしばったらしい。顎が痛い。

今夜は、ピナ・バウシュ。筋肉を束にしたり、ほどいたり。小さな骨のひとつ一つを自在に動かすって、気持ちいいだろうな…。

2015年10月 3日 (土)

握りたくなる新品の鉄パイプ

川柳カード大会、兼題「美」。

きれいなかなしみがあるものだ…。なんだか分からないけれど、便器を磨いていた。磨き上げた。

2015年10月 2日 (金)

ずきんずきんと海も脈打っている

十月になっていた。

人生いろいろある。ほんとにいろいろある。
ことばもなくて、とにかく会いたいと思う。会って手を握りたいと思う。思っている。こんなとき、ぐいぐい行けるタイプだったらなあ…とも思う。思う。思う。思う…。

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