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2016年11月

2016年11月27日 (日)

ゆずの香

小ぶりの柚子をたくさんいただいて、机の上にひとつ置いている。ときどき、すんすん匂いを嗅ぐと、おでこの真ん中へんから頭部が覚醒する。

母に電話して、ゆずのことを話した。もう声を詰まらせることなく言えた。
「あんたももう歳なんやから、これから飼ってもさいごまで世話できんやろうし、もう飼ったらいかんで」と釘を刺された。
少し前なら、こんなときにそういうこと言うのね…と気に障ったけれど、いかにも母でおかしかった。それにしても、母の中の私はいったいいくつなったんだろ?

2016年11月24日 (木)

柿色

私の通っているジムは、商業施設の6階にあるのだが、今日、スタジオレッスン中に警報が鳴り響いた。誰かの「地震?」の声にざわざわしたら、5階で火災が発生したので直ちに避難せよとのアナウンス。

ロッカーで上着だけ羽織って、荷物を抱えて非常出口へ。スタッフの方々の落ち着いた対応で、あわてる人もなく皆冷静に行動できた。
シャワールームからバスタオルを巻いて出てきた人は、「どうしよう、服着る時間あるやんね。このままじゃ寒いなあ」と、うろうろ。「大丈夫や、はよ着替え」と言うおばちゃんと、「上着だけ着て、避難せな!」と言うおばちゃんがいて、ますますうろうろ。私は、とてもじゃないが瞬時に判断できなかった。というか、自分の判断に自信がないのだ。
結局、異常はなかったようで、抜き打ち訓練のように済んでよかった。非常階段を下りながら、ジム友からもらったばかりの柿の柿色を見ていた。あたたかな灯のようで、柿ってこんなにきれいだったんだ…と思って、こんなときにそんなこと思うんだ…と思った。

2016年11月22日 (火)

ベランダの怪事件

今朝、ふとベランダを見たら、金魚が鉢から飛び出している!ゆずロスのうえに、さいごの一匹の金魚まで…と近づいたら、微かに尾びれが動いた。おそるおそる鉢に入れてみたら、小さなあぶくを一つ、もう一つ吐きながら沈んでゆく。しばらく鰓だけが動いて、それからゆるゆる泳ぎはじめた。奇跡の生還!九死に一生スペシャル!(涙)

一ついいですか…。これまでに同様に死亡した3匹も、鉢からすこし離れた位置でした。しかも旅行中。私が迂闊でした。しかし、妙ですねー。ベランダにいちばんよく来るのはスズメです。気になりますねー、あの小さなくちばしで金魚が捕れますか?では犯人は、ハト?ヒヨドリ?カラス?…わかりませんよ、ええわかりません。特命係、左京です。で、…明日の相棒は、徳永政二さんの息子さんの脚本です。

2016年11月20日 (日)

のようなものが時間を流れてゆく

今朝、ゆずが私の腕から旅立ちました。昨日、危篤の報に予定をキャンセルして帰り、ひと晩ついてやれたし、奇跡的に家族みんなが揃った日でした。

庭の南東の隅っこのあじさいと、もう1本名前のわからない木を抜いて穴を掘り、さくらの葉っぱに包むようにして埋めてやり、柚子の木を植えました。柚子の黄葉が庭を照らしてくれています。
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2016年11月19日 (土)

いよいよ義姉の慈姑的語り口

近ごろ、比喩の表現で流行を感じているのが、「(名詞)な」「(名詞)的」といったトリッキーな形容詞。

  捨て方がわからない寒天なこころ  守田啓子

  舟になるフランボアーズな夜だから  西田雅子

こんな風にバシッと決ったらおもしろい!斬新さとマッチ度ですね。

2016年11月17日 (木)

きのうより寒いステンレスのひかり

11月のねじまき句会は、例会が国文祭に振り変わったため、題「寒」が宙に浮いてしまいました。そこで、「ねじまき番外編その2」として、HP上で「寒」の句を募集しています。20日〆切。参加費無料。ただし、賞などはありません。

20日過ぎたら、勝手に選者もどうぞ!

2016年11月15日 (火)

破調

本日のつづきの会の宿題は、破調の句。

実は、近ごろ選句していて散文調の破調の句が多いのが気になっていた。私は、定型厳守派はでなく、自身の句も破調が多い方だ。直近で16句書いた作品も、うち7句が破調だった。
ところが、あえて破調を詠もうとすると、あれれれれ……安っぽい広告コピーや、自由律俳句の出来損ないみたいになる。あおに見せたら、「なんで、こんな下手になるん」と爆笑。とくに受けたのは、

  女の子を女の子にする風

  どうでもいい人がしあわせになっている

ならばいつも通り、破調を意識せず破調になればいいやと詠むと、きっちり定型になるふしぎ!なぜ私は、私を裏切るのか。
まあでも、皆さん、苦労なさった様子。…ふふふ、いま選句一覧をプリントアウトしたところ。いや、これはおもしろい。なぜ、破調なのか。破調であることを、どう評価するか。わくわく!!!

2016年11月13日 (日)

すでにもう雪の重みとなっている

妹のつれあいのお母さんは、90歳。聡明であたたかなユーモアのある女性だ。病院のベッドのカーテンレールを指して、ないしょ話のように教えてくれる。「そこに鳥がおるでしょ」「今はいないみたいですよ」「大きな巣ば作っとるとでしょ」「それもないみたいですよ」……「おかしか…朝はほんまにおったとよ…」。

朝からゆずを病院へ。食欲がなく、起きているときは鳴き通し。昼夜逆転ぎみ。抱くと鳴き止むが、ずっと抱いてもいられない。犬の痴呆症らしい。白っぽくなった眼は、私のずっとずっと遠くを見つめている。ゆずには何が見えているのだろう。鳥のようなやさしいものだったらいいな。

2016年11月11日 (金)

半透明のビニール叔父の高知弁

母と妹が佐賀県へ移り住んで、もう30年近くになる。佐賀弁が板について、すっかり九州の人になっている。お昼のお寿司のお醤油の甘いのが残念というと、二人が「もう慣れたもんね、甘いのやないとおいしくなか…」と声をそろえた。考えてみたら、私はずっとおなじ文化圏に住んでいる。ここを出て暮らすことに、突然あこがれはじめている。

帰るときに、母が「もらいもんばっかりやけど…」と紙袋を持たせてくれた。肩が抜けそうなくらい重いのは缶詰やら瓶詰めで、母というのはいつまでも重いなぁ〜と持ち帰ったら、いくつかは賞味期限切れだった。母がほんとうに老いた。急な秋風が身に沁みるように堪える。

2016年11月 9日 (水)

息のかかってかたむいてゆく船か

新思潮の研修句会で壱岐の島へ。

5日は句会、6日は吟行。吟行で転んだ以外はまずまず順調だったが、帰りのジェットフォイルが欠航。海面はさほど荒れているようにも見えず、フェリーに変更したところ揺れるのなんの。入り江は穏やかなのだ。突然ガガガガーと音がしたかと思うと、ぐらんぐらん揺れて2時間。そんな中、1時間は疲れからか眠ることができて助かった。後半の1時間は、これがほんとのゲンカイ灘。ぎりぎりで博多港に着いた。
それから佐賀に住む母のところへ。いっしょに暮らす妹によると、普段とはまったく違うしっかり度らしい。
母の言い分、妹の言い分。何気ないことば、いや相手を思ってのことばもときに傷つけてしまう。一旦傷つくと、相手のことばはすべて刃になる。人と人の相性というのは、ことば選びやものの言い方も大きいなあと、あらためて思う。
どこの家もいろいろあるよ〜と、我家の橋田壽賀子物語を語るも、登場人物のキャラが濃すぎて喜劇になってしまう。笑わせっぱなしで、綾小路きみまろライブ状態なのであった。
実に濃い3日間で、まだリカバリーできていない。

2016年11月 3日 (木)

秋風

必要があって、人魚のお話を読んでいる。99%ふしあわせになるであろうしあわせがある。たった1%に賭けるからこそのしあわせだ。

写真のTさんは、見たこともない赤いネクタイでピシッとキメていた。結婚生活イコール妻の闘病と言ってもよかった。その妻を失くして数年後、再婚に向けて婚活用に撮影した写真だったそうだ。そう、あのころのTさんは、芯が抜けてしまったようにからから笑っていた。Tさんの中を、ずっと風が吹き抜けていたのだ。あのとき、1%のしあわせを誰に止められただろう。急な秋の風は、とりあえず手近のあたたかいものを摑ませる。出かける間際、バッグに放り込んだストールは毛玉だらけだった。

2016年11月 2日 (水)

名前のない会

大昔の職場の先輩方との飲み会。今回は、S氏の案内による三宮B級グルメツアー。昼間から、寿司→ぎょうざ→コロッケ→肉まん→魚介焼きとまだ明るいうちにはしご。最後に、この夏に亡くなったメンバーのTさんを偲んでカラオケ。Tさんの持ち歌を歌いながら、Mさんが泣き出す。べろんべろんのKさんは、もう何を言っているのか分からない状態で号泣。あまりにもおかしな状況なのに、私まで涙が止まらなくなってしまって、すごい状態でおひらきになった。外に出たら、まだ日が落ちたばかり。家路を急ぐ人と、これから飲みに行く人らの波に、ゆらゆらのKさんがのまれていった。 細い月がTさんみたいに見つめていた。

2016年11月 1日 (火)

散歩会@大仙公園 日本庭園

電車に飛び乗ってラッキーと思っていたら、ユニバーサルシティ?ちゃう、ちゃう、また間違えた〜と、戻ってやり直し。バタバタと何とか辿り着きました。びわ湖組は、人身事故で電車が遅れて、吟行できずに句会場へ。アクシデントを乗り越え、皆さんきちんと出句されました。作二郎先生は、明日、満90歳!いつも通りの散歩会が、何よりの贈り物でしょう。

  気忙しい朝の石蕗のちかちか

  橋渡る歩幅ちいさくなってゆく

  石まるくまあるく拒絶してくれる

  さみしさは近づいてくる魚の影

  水音へすこし遅れてしまう秋

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