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2017年1月 1日 (日)

その岬の、春の

青がまた深まる画素の粗い海

やくそくは水でゆわえる水の束

ぬれてかわいてぬれてかわいて岬まで

海沿いにゆくとくぐもる貝の耳

舟底のカーブなつかしい口もと

沖合にブイ たぶんと言ったきり

瞑ったら入り江をあふれでるこころ

てのひらにあまりにあっけなく消えて

一体を棄てるかすかな水の音

海鳥の声色で幕降りてくる

とおい風匂うレコード夜の海

うっとりとひとりの泡を聴いている

もう夜を寝かしつけたのかしら水

潮騒にくるまれたままのくるぶし

くるうほど凪いで一枚のガラス

ひんやりとはじまるものを春と呼ぶ

     川柳「凛」2017―冬 招待作品

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