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2017年2月12日 (日)

よかれ

もうかなり前のことになる。

A子さんから、Yahoo!ニュースで自分の仕掛けたイベントが紹介されているので見てほしいと連絡があった。彼女はホームレスの人たちを支援する施設に働いていた。遠距離恋愛の彼がなかなかプロポーズしてくれないという同僚の誕生日に、内緒で彼を呼びフラッシュモブで公開プロポーズ。OKした彼女をカーテンで隠して、ウエディングドレスを着せてみんなで祝福。彼、彼女、スタッフ…食堂は涙と笑顔に包まれたとあった。企画者のA子さんのことばとして、「だれかの結婚式に立ち会うことなど一生無いであろう入所者の人たちにも、結婚式を味あわせてあげたかった」とあった。
A子さんから連絡をもらった友人たちの反応は、「やっぱりA子さん、すごい!」とか「入所者の人も感動したでしょう」とかで、私も同じようなリアクションをしたと思う。

ふいに今日、そのことを思い出した。入所者の人たちは、その場に居合わせたことを、ほんとうにうれしく思ったのだろうか?と疑問がわいた。もしかして、たいへん酷なことだったのではないか。わからない。立ち会えたことをよろこび、心から祝福した入所者の人もいたかもしれない。けれど、自分が一般的なしあわせとは縁のないところにいることを、再認識させられた人もいたのではないか?…ときに善意は暴力にもなる。
だれかのために「善かれ」と思うことが、近ごろとてもこわかったりする。「さすがA子さん」と思ってしまったりする私だから。

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