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2017年3月 3日 (金)

ばあちゃんの家出発泡スチロール

あれは、40代の中頃だっただろうか。ある日、街中のウインドウに映った自分が一瞬わからなかった。現実の私と、イメージの私の乖離に気づいた最初だったと思う。
そこから、その差はどんどんひらいてゆく。見た目だけでなく、あらゆる機能、能力も。

友人と親の老いについて話す。
80代の親の自己認識はせいぜい70代ってことで一致する。かかりつけの医師にデイサービスを勧められて「失礼や」と怒る。補聴器をつけるように言ったら、「そんな年寄りみたいなもん」と拒絶。立派な年寄りだし、会話が噛み合わないのに…。
私たちは、素直なばあさんになろうと誓う。デイサービスにも行こう。左手が必ず負けるようにジャンケンとかも、気はすすまないけどやってみよう。あ、でも「か」のつく言葉をあげましょうとかだったら、桐ちゃんめっちゃ得意そうや(笑)補聴器も、いちばん高いの買うてって言おう。うんうん、肝に銘じておこう。

そして、母はけろっと帰ってきた。家出しても、もう遠くへ行く元気がなくてつまらないって。ほらほらだからデイサービスと水を向けると、あそこは行くところのない人の行くところだって。

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コメント

「デイサービスには、実年齢より随分お若く見えて、しかも気配りの出来る方が必要なんです」

なんていうのはアカンかしら。

うわ〜、さすが!
そういう風にもっていけばいいのね。
でも、言えるかなあ?顔が引きつりそう(笑)

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