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2019年10月11日 (金)

嵐のまえに

台風が近づいている。もともと明後日は、東京の句集批評会に出る予定だったが、家族の行事が入ってきてキャンセルした。
家族の行事も、中止しよう、いややろうと、あっちからこっちからの連絡にぶんぶん振り回された挙句決行することになった。テレビでは、結婚式をキャンセル料50万を払ってキャンセルした人や、キャンセル料300万と言われて決行することにしたけれど招待客が半数になった人の話をしていた。たくさんのイベントも中止されている。収穫をむかえた農作物、果物も…、どこまで備えられるのだろう。今はまだ、おだやかな空へ大きく息を吸う。

某日、「106歳を生きる 篠田桃紅 とどめ得ぬもの 墨のいろ 心のかたち」へ。ある日、川の字を書いていて、どうして線が3本なのか?もっと書きたいと思ったと。文字をはなれて抽象へ向かうと、それはもはや書ではないと批判される。それでも書きたいものを書きつづけてきた信念、書くことのよろこびが線に現れている。晩年は、金箔やプラチナに書く作品が多い。金属質に対して墨は素直になるとのことだったが、私は紙と墨がせめぎ合う作品の方が好きだった。年齢を考えると、筋力や視力も関係しているのかもしれない。桃紅さんは、作品にタイトルを付けることを好まれないらしく、大変小さく添えられていた。見る者も、自由なこころで受けとめればよいのだろう。
終了後、近くの古い旅館で、いっしょに行った方々とお昼をいただく。広間の床の間には立派な軸がかかっていた。勢いのある大きな二文字。なんと書いてあるのかと、誰かが言い出す。私は「無限」と読んだ。上の文字は「夢」ではないかと言う人もある。どうしても知りたい人が、お運びさんに尋ねる。女将さんに確かめに行ってくれた。「バンザイです」。萬歳…なるほど、景気のいい軸であった。でも、私は、無尽と感じた。それでいい気がしていた。

 

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コメント

ノコギリの約束の句で特選をいただいたものです。
コピー機の光のような選評もいただき感謝です。
職場にも公開し、ノコギリの別の顔をみてもらいました。
ノコギリの設備設計で半世紀近く、よい記念になります。

また私の出身の鹿児島には薩摩狂句なるものがありますが
あまりなじめませんでした。
「ぼこぼこにしてんかなすびにしてんか」のような発想がうらやましい。

「なんだなんだと大きな月が昇りくる」
まもなく時代祭りや紅葉、車も自転車もカメラも大忙し。
自然も登山も・・・いろいろ好奇心を持ちながらの毎日です。

そういえば我が家はクリスチャンホーム。
教会では笑いやうがちを持った川柳はちょっと・・・
しかし「ネアカのびのびへこたれず」
聖書からはみ出すようなネアカですが今日もマイペースです。

HTさま

すてきな作品をありがとうございました!
人以外のもの同士の約束の発想もさることながら、
句の仕立て、リズムも、句の世界にマッチしていました。
あの句から、一編の童話が生まれそうです。
ノコギリに、長くお仕事でかかわってこられたのですね。
どうりで、こころを深く寄せられたわけです。

カメラも登山も、いい季節ですね。
私は、もっぱら食べる方で(笑)
近ごろ、秋は短めになりましたが、
今年の秋をたのしみましょう!

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