2017年9月20日 (水)

濃厚

今年は、うれしいこともかなしいことも、とても濃い年なのですが、この9月の濃厚さときたら…。富士山以降も、書いて、会って、笑って、飲んで、泣いて、飲み過ぎて、観て、書いて、読んで、書いて、読み合って、読み合って…と、ばたばた。

取り急ぎ、お知らせだけふたつ。
石部明「THANATOS」。出来上がりましたが、まだ発送できていません。もうしばらくお待ち下さい。今月中には、お届けできるかな?というところです。
葉ね文庫(大阪中崎町)の「葉ねのかべ」は、榊陽子さんの川柳と利便性さんの漫画です。くすっと読んで、さいごに川柳でもう一度くすっ。くすぐられたい方は、どうぞ!11月18日まで。

2017年9月10日 (日)

ロバート・フランク:ブックス アンド フィルムズ

Img_0884 美術市場で高騰したロバート・フランクの作品。展覧会を開くには莫大な保険料がかかるなどの諸般の事情により、新聞用紙に刷り出して額装せずにそのまま展示、終了後は廃棄するという、あたらしい手法の展覧会です。

 「写真にそなわっていなければならないものはひとつ。今、この瞬間の人間性だ」ーロバート・フランク

“今”をとらえたフランクの写真には、ぴったりの展覧会でした。
切り取られた一瞬の生が、いつか必ず生きている死者になる写真…。写真は、そうか…そうだ。
9月22日まで。会場は、デザイン・クリエイティブセンター神戸。

2017年9月 7日 (木)

雨ニモマケテ風ニモマケテ

頂上は踏めませんでした。

5合目からスタート。富士宮ルートで、7合目には平均的なペースで到着。山小屋泊。いつでもどこでも眠ることだけには自信のあった私が、まったく眠れない。
ご来光目指して、夜中の1時30分に霧雨の中へ出発。真っ暗闇の中、足元だけを照らしながら無言で進む。八甲田山雪中行軍の様相。ずるずる滑る。友人が外国の山で滑って肩を骨折し、救助ヘリに130万円かかった話を思い出す。雨風が強くなる。冷たい。苦しくなってくる。知人に聴いた満州引揚げの話や、砂漠で迷子になった話を思い出す。山を登っている感じがしなくなってくる。地球以外のところに落とされた3人が、無我夢中で歩いているような…。
明らかにペースが落ちてくる。まだ8合目にも辿り着いていない。これで登りきれるのか?と不安に思い始めたそのとき、岩に滑って転んでしまった。その拍子に急に気分が悪くなる。しばらく様子をみるも無理だろうという判断で山小屋に戻ることに。戻るのがまたたいへん。私だけ足元がおぼつかない。「桐ちゃん、出した足をきちんと踏んでから次の足出して。次の足出すの早すぎ」「イメージはなまけもの」…青のときどき意味不明なアドバイスにも、突っ込む気力がない。
何とか小屋に戻ったものの、濡れた人は布団スペースへ立ち入り禁止で、雑魚寝の床に転がる。冷たくてとても眠れない。時間つぶしに、鳥ブリーダーさんのHPを見て鳥の性格や寿命、価格を研究。すこし気がまぎれる。
夜が明ける。雨は止みそうにない。青と夫はふたたび頂上を目指すと言い、私は下山を選ぶ。結局、青と夫も、8合目で引き返してきた。ガイドさんも含め、下りてくる人から風が強くて危険だと言われたらしい。

夜、海鮮居酒屋で反省会。「お天気だけは仕方ないよね」と言うと、「え、天気なん?悪天候でよかったな」と青。(キッツー)海釣りの時の船酔いといい、三半規管を鍛えるように言われる。8合目では、「桐ちゃん、大丈夫かな?」「あしたのパンのことでも考えてるやろ」という会話がなされたという。ただのヘタレ?悔しい!!でも、もう富士山はいい、と今は思っている。一年も経てば忘れるかもしれないけど。……お産か。
ところで、居酒屋は魚がどれも美味!さすが駿河の海。生シラス、海藻、まぐろ、金目、かさご、めひかり…。 わさび、お茶も結構なお味。ご機嫌な、反省会でありました。

2017年9月 4日 (月)

富士山

あした、富士山に登る。

日ごろ、ジムで踊っているだけで、ウォーキングすらしていないのに、いきなりの富士山。
ちょっと心が弱っていたんだ、誘われたときは……。忘れていました、9月は川柳繁忙期なこと。
まあ、せっかくなので、たのしみたいと思います。ご来光も拝めますように。

2017年8月23日 (水)

黒い雨

川柳教室のSさんは、広島市出身の80代。Sさんの語るあの8月6日は、悲惨とか恐怖ということばでは到底収まらない。

きのうSさんが、あの日を句に書いてこられた。「黒い雨」と書かれていた。
「黒い雨」は、原爆の代名詞にもなっている言葉で、その一語をもって原爆の悲惨さは伝えられる。けれど、Sさんから聴いたのは、もっと具体的でなまなましくて、息苦しくなるような惨状だった。
「黒い雨」を使わないで、Sさんのことばで書いてください。記憶と向き合うのは辛いし、一句にするのは難しいと思いますが、何とか書きのこしてくださいとお願いした。「一句はのこさんといけんと、思うとります」。いつもやさしいSさんの目が、鋭く光った。

2017年8月17日 (木)

句会こわい

「うみの会」が神戸新聞のコラム「正平調」で紹介されました。

少し前、ネットでは大辻隆弘さんの短歌時評「歌会こわい」が話題になりました。
私は、ねじまき句会、つづきの会、うみの会と、いつの間にか合評中心の句会にばかり足を運ぶようになりましたが、怖いと感じたことは一度もありません。
大辻さんの時評の中に、『「歌会こわい」という声の背景には、短歌をコミュニケーションの手段だと考える人々の増大がある。』とあり、思い出したことがありました。
ある句会で、川柳の構文や表現への批評に対して、私の思いはそうではないと反論したり、思いが否定された、思いを傷つけられたととらえる人がありました。思いの川柳は否定しませんが、思いを伝えたいだけなら川柳でなくてもいいと思いますし、むしろ散文の方がいいでしょう。当時は、そんなことは言えず、ただ難儀やな…と聴いていました。

2017年8月14日 (月)

夜明駅

友人の初盆。お線香を手向けに行ってきた。

彼女が心をのこしたであろう、お母さん、お嬢さんの様子にほっとして、やっと気持ちに一区切りついた。
帰りの新幹線で、電光掲示板に「夜明駅」というのが流れた。どこ?と思ったけれど、あえて調べなかった。私には、今日の新大阪が夜明駅。

2017年8月11日 (金)

しっぱい

7日から青が旅行に出たので、その間に本棚を整理しようと思い立つ。数年前に、私の部屋と青の部屋を交換したときに、本棚を動かすのが面倒でそのままなのだ。

私の部屋の青の漫画本をいくらか処分して、そこに2段分ほど移したら、部屋の隅に積み上げたままの本が収まる、という計算だった。入らなーーーい!縦が足りないやんかーー。頭悪すぎーー。抜いた本が、崩壊しそうな塔のように並び、その前に立ち尽くす。
それをそのままに、8日、9日、10日と、あそび歩いてしまった。正確には、飲み歩いた。そして、すっかり胃腸を弱らせ、口唇ヘルペス発症。気づけば、あれやこれやの締切が迫っているし、投句はがきも届くし、青の帰宅日だし。まったくこんなことをしている場合じゃない。本の塔は私のように立っている。さて、どこから手をつけるか……、まずは激辛カレーでも食べてしゃきっとしよう。

2017年8月 7日 (月)

雨、雨、雨

今朝、金魚が死んでいた。

 二粒の夜と生まれてきた金魚   桐子

二粒の夜だけが、生きているように死んでいた。ベランダのイタリアンパセリの鉢のなかに埋めた。

歯医者の帰り、アスファルトを弱った蝉が歩いていた。大雨に打たれていた。すぐそばのマンションの植え込みの木に止まらせると、ちいさく咽ぶように鳴いた。

夜の予定は、台風で中止に。長い雨雲みたいにねむい。

2017年8月 4日 (金)

如何に

『現代美術はアイデアを競っているけれど、まだまだ絵画がやれてないことは無限にある。アイデアや主題や様式ではないものだ。それは絵画を通して「如何に生きるか?」だと思う』横尾忠則
昨日、川柳の持ち味について聞いた話と通じる気がする。

今朝、自転車に乗ったおじさんとのすれ違いざま、おじさんの声が妙にはっきり聞こえた。「それは、俺のイメージが……」。思わず振り返った。カールおじさんのような麦わら帽子に、白いクレープ地のシャツ。首筋が焦げている。夏の俺、なのか。

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