2017年11月10日 (金)

席には花が置かれ息をしている

Sさんの通夜。となりの市に、この3月まで勤めていらしたので、仕事を終えて駆けつけた人が式場をあふれる。私も、出入り口の外に並ぶ。喪失のかなしみというのは収めようがないせいか、神経が過敏になっているとおもう。式場の外だったのもあるかもしれないけれど、とにかくスタッフがバタバタ、バタバタと走り回る。「椅子がもうないので、ここに二列に。通路を開けてください」、大声で事務口調。思っていたより会葬者が多かったのだろう。読経がはじまっているというのに、会葬者のすぐとなりで会葬御礼の品を袋詰めし始める。バリバリ(ダンボールを開く)、バッ(紙袋を開く)シュトッ(箱を入れる)。バッ、シュトッ、バッ、シュトッ……なぜここで?もうすこし、しずかにできないか……。喪主のごあいさつの間も、時計ばかり見ては、首元のインカムを引っ張ってぼそぼそしゃべる。なんか残念すぎる。

ご自分で準備されたという遺影は、きりっと仕事の顔をされていた。プライベートの甘いマスクのSさんも素敵だったんだけどなぁ…。さみしいなぁ。

2017年11月 7日 (火)

いきなり吟行@宮城県立美術館

杜人大会の翌日は、笹田かなえさん、なかはられいこさん、瀧村小奈生さんと美術館で吟行。
残念ながら、佐藤忠良記念館は休館。常設展とフィンランドデザイン展を1時間ちょっと観てまわる。図書室で、メモ用紙や手持ちの紙を破った急ごしらえの句箋で出句。全体で、80句弱だったか?私がいちばん少なくて14句。
ランチをはさんで、カフェに移動。句箋を回して選句。おもしろい句が多くて、10句選を12句選に。かなえさんは、句材を血管一巡りさせてことばにする感じ。句箋に体温を感じる。 なかはらさんは、句材を遠くへ正確に投げる。外野からノーバンでホームを刺す、全盛期のイチローみたい。小奈生さんは、目の前の情景を、さっと展開させる。漫画の次の一こまだったり、ムービーのつづきだったり。
少人数は少人数でたのしいし、何も準備がなくても、吟行できることがわかった。
 

   十一月を引っ張ってきたのは小舟

   紅葉はそろそろ痒くなりはじめ

   大皿の縁びらびらになる宴

   滲むこと大事ななまえわすれること

   秋草のもうほとんどやぶれかぶれ

   波音でいっぱいになる鳥の胸

   半分は空で半分は午後三時

2017年11月 5日 (日)

ほしかったのは桃缶の缶の味

川柳杜人70周年記念句会・山河舞句追悼句会、雑詠。

舞台から舞句さんが見守っている。まさかのかたちでの再会だったけれど、舞句さんにごあいさつできてよかった。舞句さんはじめ大勢の方々が自由な気風をつないで、個性的な作家、作品を排出してこられた杜人。結社の根っこを感じるとき、無所属は少々揺らぐ…。
句会は乾杯をしてから、披講がはじまるというめずらしいスタイル。投句一覧が配られているので、入選句を聞くだけでなく、文字でも読める。食事をいただきながら、ゆったり、まったりムードのとてもなごやかな句会だった。終了後はすぐ懇親会。集まってしゃべって笑って食べっぱなしの、なんだかお正月みたいな一日だった。

2017年11月 3日 (金)

眼鏡屋の輪っかのつづく秋の家

息子のパートナーは、私からするとふしぎちゃんで、何を話したらいいのか、どう接したらいいのかよく分からない。自分は夫の母がとてもしんどかったので、そうならないように…と思うあまり、なるべく近づかないようにしていたら、彼女が気にしていると息子が言ってきた。

彼女はアニオタで、彼女がバイブルにしているのが「クラナド」というアニメ。それで、彼女を理解するために観ることにした。原作は恋愛シュミレーションゲームらしいが、彼女曰く家族が描かれていると言う。何か所かで号泣するらしい。アフターストーリーも含め50話ほどあるうちの、やっと4分の1ほど観た。きつい。顔の4分の1ほどもある大きなお目めに、触覚のようなものが生えた髪。「〜〜なんですぅ」というアニメ声。次々登場する人物の見分けすらつかない。パラレルワールドなのか?現実離れした設定。…苦手中の苦手。
けれど、たしかに彼女に通じるものを感じる。号泣できなかったらどうしよう。…今どきの姑はたいへんなのだ。

2017年11月 2日 (木)

特別散歩会@京都市植物園

墨作二郎氏が参加された、さいごの散歩会から一年。なつかしい顔ぶれが集合した。

先日の台風で倒れたままの大木、枝の折れた痛々しい木々の森を抜けると、芝生広場では秋の陽のなかで、ウエディングドレスとタキシードのカップルが2組も撮影している。黄色やみどりの帽子の子どもたちがドングリを拾い、カメラサークルのおじいさんが紅葉を撮影していた。
森のテラスで、コスモスを見ながら句を書いていたら、年配の女性が前に座った。「句を書いてるの?」「はい」「なんぼやっても、深みにはまるばっかりよ…」「…(俳人?)」「じかに見るコスモスより、そっちの窓ガラスに揺れるコスモスの方がきれいよ。ご覧なさい」。そう言うと、立ち去った。ガラスに揺れるコスモスは、とおいむかしのコスモスのようで、ずっと先のコスモスのようでもあり、それはうまく書けなかった。

   見ていると噴水ムキになってくる

   振り向いてしまう森の入口で

   樹は風と抱き合ったまま倒れ

   こもれ陽を使いきれないアマリリス

   ウエディングドレス牛乳吹きこぼす

    アリスの庭にアリスのいない昼下がり

2017年10月25日 (水)

冬瓜育てるお客さま窓口

冬瓜が苦手だ。食べられないわけではないけれど、おいしいと思ったことがない。
なのに、おじいちゃんの冬瓜が終らない。川柳の会に持って行きたいけれど、いかんせん重い。
夏の野菜なのに、冬の瓜と名乗る冬瓜。皮を剥かれ、切り刻まれ、火まで通されながら、透明感を出していく冬瓜。私に主張などありません、と控えめな主張をする冬瓜。煮ふくめても、スープにしても、なにか足りない感じに仕上がる冬瓜。いったいどうして欲しいのだ、言ってくれと詰めてみても、ごろんと転がる冬瓜。
どなたか、おいしい調理法をご存知あるまいか。

2017年10月24日 (火)

かあさんを叱ると空が粗相する

つづきの会、雑詠。

久しぶりに青空を見たような今日。2杯の洗濯物を干し終えたら、妹からLINE。母が、足首を骨折して入院、手術だと。母も大変だけど、妹が大変だろうな…。

2017年10月21日 (土)

水っぽさいかに薄めるかが課題

ねじまき句会、題詠「題」。

数年前から、この国ではハロウィンが仮装大会になりつつある。人には、もれなく変身願望があるのだろう。

その波はついにジムにも到達。バレエクラスも好きな人とチームを組み、仮面舞踏会のミニ発表会をするのだという。都合良く、その日は予定が入っていたので、本番の日が欠席なので…と申し出たら、毎回、熱心に参加している男性(川柳の全郎さん似で、ひそかにゼンローさんと呼んでいる)が「私もです」と。「じゃあ、二人はペアで、今日本番です」と、まさかの展開に。ゼンローさんとペアで2回も踊った。

発表に向けて、一人ひとりに先生の厳しい声が飛ぶ。踊りにはもろに人が出るので、指摘の長所短所がその人を言い留めているように感じる。私は、「自信です、自信。自信が大事です。もっと自信を持って」と、「彼女は常に距離をはかってフォーメーションを守って踊っています」と言われた。

今朝いただいた心のこもったメールには、大事なのは作者の持つ「自信」なのではないか…とあった。自信か…難題だ。

2017年10月20日 (金)

また思い出して葡萄の種ぷっと

つづきの会、雑詠。

小樽の研修句会、吟行のあと、定山渓温泉へ足を伸ばした。秋晴れ。紅葉真っ盛り。

湯宿では、ルームアップさせていただきましたと案内された部屋が、なんとスウィートルーム。うちの寝室ほどもあるベッドがどどーーん。思わず「一人で?」と声に出る。部屋には、詩集やCDも置かれている。お香を焚いて、カサンドラ・ウィルソンを流して、マッサージチェアでぐりぐりしながら、手塚敦史さんという方の詩集をひらく。はんぱない非日常感。それにしても、なぜ、ルームアップされたのだろう。

札幌からの送迎バスには、最後にすべり込みで乗り込んだので、宿に着いたときは最後に降りた。ほぼ満席だった乗客が順次チェックインする。急ぐこともないので座って待つ。支配人から、「お待たせして申し訳ございません。もうしばらくお待ちください」と二、三度声がかかる。バスで爆睡していたので、寝起きの私は不機嫌そうだったのかもしれない。ぼおーっとしていただけなのに、半ギレに見えて大サービスされた?

夕食は、4つのテーブルごとに区切られたお部屋。いちばん近い席は、70代の男性と40代女性の不倫カップルだった。ヒマなので、LINEで青に実況中継する。「なんで不倫て分かるの?」「夫婦はあんなになかよくないよ」「なるほど」…。女性は、ずっとしゃべっている。椅子の座り心地がよくないとか、料理が並だとか。パパに対してあれこれ注意もする。お酒を飲み過ぎるな。生肉に使った箸を他に使うな。「お造りの次に食べたものはなんでしたか?」と、いきなり運転免許の高齢者認知症検査みたいなこともする。パパは答えられず、叱られる。落とすばかりではない。持ち上げることも忘れない。パパがししゃもの漢字を「やなぎばうお(柳葉魚)」とさっと答えたことに、大げさに感心する。落とされても、上げられても、パパはうれしそうである。この宿は2回目らしく、パパが500円ケチって、前回より部屋が狭いとチクチク言い始める。なんか私、スウィートで悪いな…。となりの会話でお腹がふくれる…というか、もうええわ状態に。

あとは、瞑想風呂やら、露天風呂を湯めぐりして、大きなベッドの端っこでちいさく眠った。(つくづく、小もの…)

2017年10月18日 (水)

川柳性

つづきの会のブログ「つづきの木のコラル」に、石田柊馬さんが戦後からの「川柳性」について書かれています。ブログにはもったいない内容で、保存されることをおすすめします。

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